カレー屋店主の辛い呟き Vol.1「ある日のHIPHOPの話」

自己紹介

まずは自己紹介

はじめまして。
カレー屋兼飲み屋。めんどくさいのでカレー居酒屋店主の”ふぁにあ”と申します。
「なんでもいいから書いてや」という南部さんからのオファーを頂きこちらに拙い文章を書かせていただくこととなりました。

どれくらいの深さで、どんなことを書いていいか熟考しながらカレーを作る日々でしたが(嘘)、気が付くとスマッシュウエストのホームページもリニューアルされ慌てて原稿を書いている次第。僕の人生万事こんな感じです。ご迷惑をお掛けした皆様ごめんなさい。

簡単に自己紹介をさせていただきますと、某チケット屋兼出版社の会社員時代を経て、勢いで独立。いくつものライブをし、いくつかのライブハウス兼クラブを作り。映画館や、クラブの雇われ代表をし、海外をふらふらとし…

と書くとなんかキラキラ(なのか)しとるなと思ったりもするわけですがその途中2回ほど土に埋められそうになったりなかったりする訳で…。
大人になるのは大変だったりもするものです。

そして、現在は上本町という、ミナミまでチャリで坂を下ると約10分。天王寺までガッと走るとこれまた10分。
鶴橋に到っては焼き肉の匂いが漂うのではという距離感。
けっこうな都会のはずが、街に広がる地方都市感満載の裏通りでひっそりとカレー屋兼飲み屋。いや、カレー居酒屋を営業しております。

そんな訳で、本日もお店はゆったり営業。原稿なんかも書いてみるわけです。
前置きが長くなりましたね。

さて、このコーナー。
営業してる当店にもいろいろなお客様が来店されて、エンターテインメントのお話や、街の情報、濃い趣味のマニアックなトークをあてに酒を飲んだりする訳で、そんな場面を切り取ってお伝え出来たらっと考えております。

ある日のHIPHOPの話です。


「ある日のHIPHOPの話」

「今流れている曲のジャンルって何なの?」

お客サンから聞かれました。

ウチの店ではモニターでPVを流してるので(てか、野球中継のこともw)意外とその音源に引っかかってくれるお客サンも多いのです。
その方はご近所に住まれているエリートな官庁にお勤めの素敵な60代。
ローリングストーンズで育ち、今も月に1、2度ビルボードにジャズを聴きに行かれるという音楽好き。
そんな方がこの音に反応した!と、ちと感動しながらも、

「日本の若い子のHIPHOPで、4,5年前ぐらいの曲で~」と話し始めると
「もっとワルそな子がワーワー言ってるイメージやったけど、若い子が聞きそうな~」との返し。

”東京生まれHIPHOP育ち、悪いやつは大体トモダチ”の名パンチラインの功罪はでかいですよと心の中でジブラさんにつぶやきながらも

「最近のHIPHOPて文科系の子多いんですよ~」と返す私。

その時流れていたのはこんな曲。

この曲は今大人気のトラックメイカー/DJ/MCのPUNPEE君がSoundCloud上で4,5年前に発表したリミックスで仙人掌 feat.KID FRESINO & SugbabeのThink About (P’s Mush Up) 。日本語ラップです。

ちなみに、SugbabeというのはPUNPEE君がHook(サビ又はメロディ歌唱的な..)を歌うときに使われる事が多くて、おまけに別人の設定。
PUNPEE feat.Sugbabeというアホ設定の曲もあったりしますが、そのあたりはまた別の話。

そして、トークは続き、サンプリングの話に。

「曲を作ったのは日本人の子なんすけど、実は僕の好きなアーティストの曲がサンプリングの元ネタとしてあって ~」
「カバー?」「いやサンプリング」「どう違うの?」「フレーズを取るとゆーか」「でもこの曲はまんまなんすよ」「うーむ」という流れ。

色々なジャンルの音をフラットに聞いて、引っかかったモノをループして再構築するその作業。

そこにトラックを作るアーティストの音バカな姿が見えるとニヤリとしてしまう訳ですな。

そして、

「でもとにかく元曲のアーティストすごいいいので聴いてみてくださいよー」と薦めたのがこのアーティスト。そしてこの曲。

これは、Count Bass DというアーティストのSeven Yearsって2002年発表の曲。
90年代から活躍する彼は、すべてのプロダクションを一人でこなしていて、僕も大好きなアーティストなのです。
特にこの曲が入ってる「DWIGHT SPITZ」というアルバムは、サンプリング+生演奏の黒く、ソウルな彼の特徴が一番よく出てます。

チルなんだけどドープ。ホントに名盤なので聞いてみて欲しいです。

https://www.amazon.co.jp/DWIGHT-SPITZ-COUNT-BASS-D/dp/B0007WG8YI

そして、お客様も僕の熱が移ったのか、早速スマホで検索中。
一言で、HIPHOPと言っても幅があることが理解していただけた模様。

一つの曲から元ネタを掘っていく楽しみ、そしてその元ネタからから更に元ネタへの旅と新たな音楽との出会い。そんな音楽の楽しみ方を話しながら、楽しいお酒は続きました。

皆様もこんな音楽の楽しみ方アリだと思いませんか?
そしてこのアルバム、このアーティストぜひ聴いてみてくださいネ!