カレー屋店主の辛い呟き Vol.2「天王寺動物園とMF DOOM」
大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の”ふぁにあ”と申します。
みなさま!明けましておめでとうございます。しかし、寒いですネ。
当店は今日も安定の低空飛行。気温が下がると財布も寒くなる。
お客様頼みの日銭商売の当たり前の摂理なんですかね。
と愚痴はこのあたりで。
さて、今日は何の話をしましょうか。
ある日の話。
「マスターっていつも楽しそうやね。お金なさそうやのに…」
とのたまうお客さん。
(こいつ失礼極まりないな…。まあ間違いじゃないけども…)と思いながらも
「カネナイノワヨケイヤロ」と笑いで返すと、
「ごめん。そういう意味じゃなくて普段何してるんかなと。なんか楽しそうやんか毎日。」
「趣味とかなくてさー、なにしたらえーのか」
えっ。何したらえーのかわからんの??僕的には衝撃的な一言でした。
どっちかゆーと僕はやりたいことが多すぎて、やりたいことと、肝心なことがどんどんこぼれ落ちるタイプ。これはこれで問題があるわけですが。
人にはいろいろな悩みがあるんですな。で、意外とこういう人多いのかもしれませんね。
とりあえず「音楽聞け。いや、レコ屋に行け。いや、ライブも見ろ。」
と言ってやりたいのですが、「何聞いていいか?プレーヤー持ってないし!
ライブ会場って若い子ばっか..!」とのアンサーを想像すると、うかつにはね。
で、こういうやることないよーというミナサマにおススメしているのが
「なら、とりあえず散歩がてら動物園に行け」って事。
そして「年間パスを今すぐ購入すべし」って事。
そう。天王寺動物園。失笑ですか…。お客さん。
でもね、某USJさんの年間パスは2万超えのなか、天王寺動物園はまさかの年間パス2000円。2000円ですよ。その代りパスは厚紙製だけどもw
←NO1スターのシロクマ
店のある上本町から歩いて約15分。散歩がてら、お気に入りの誰かのMIXを聴きながらプラプラと。久しぶりに行く動物園は新鮮なんです。
ゾウおる!ライオンおる!と無邪気に騒いでた子供の頃とは違って、他の動物が毒や棘があるので食べないユーカリを独占するため、一日14時間寝続ける、又、消化し続ける体に進化し続けたコアラに、そんな人生おもろいかと進化の矛盾を感じ。高い草を食べるために首を伸ばしたキリンの血圧の高さ(首長すぎで脳まで血液を送るために高い血圧が必要だそうな)と、目立つ首を持ったために肉食獣から狙われるリスクを持った為、たった一日20分の睡眠時間になってしまった事実に驚愕し、餌をあげれるヤギやラクダに、俺はメシ食いたいんやという、剥き出しの欲望を感じ自然と笑みがこぼれと見どころは数知れず。
お腹がすいたら新世界でビールと串カツでグビリプハーと。年パスなら出入りも自由なので、今日はシロクマだけ見て帰ろうなんて贅沢も。
想像できました?少しおもろいかもって思いません?
実は当店で時々あるやり取りなんですけど、すでに当店の常連から4人年パス購入者が出ているというミラクル。皆様もお試ししてはいかがでしょ。
←いがいに可愛いブチハイエナ
と、ここまで書いてまいりましたが。動物園の話しかしてないやんけという方の為に音楽的なことも一つ。てか、逆にいらない?まぁ個人的には結構なトピックだったのであと少しお付き合いくださいな。
さてさて、みなさまはMF DOOMってアーティストご存知でしょうか?
ヒップホップ殿堂にその名を刻む鉄仮面。kMDでデビュー後、MF Doomと名前を変え、90’sアングラ最強レーベル「Fondle’Em」から、’99年にソロアルバム『Operation: Doomsday』を発表。その後もMadlibとのコラボ『Madvillain』など様々なオルターエゴを操って圧倒的なリリースを重ねる、ラッパー兼プロデューサーなんですが、その歴史的名盤『Operation: Doomsday』の7インチ・ボックスセットが昨年末に発売されたわけなんです。7枚の7インチ・レコードと特製7インチ・アダプター2個も付いた豪華パッケージでホントに胸アツなんです!
その当時、彼の特徴の一つであるマスクを見た時に完全にイロモノやと思ったものですが、音を聞くとSadeなんかの80’sソウルをサンプラーでブチ込んだ、上質でビンテージなヒップホップにやられた訳なんです。
ちなみに彼のマスク姿は、ヒップホップというものが段々「スキル」ではなく、「見た目」などの「音」以外のエッセンスで売ろうとするものになってきたことから逆におもろいマスクつけて出たろと。つまり大切なのはそのアーティストが「どんな音を出すか」であり、マスクはアーティスト「人」として売ろうとしている業界にたいしての反乱からこのスタイルになったと。リリシストとしても評価の高い彼らしい考え、ある意味真剣に物事考えすぎて突き抜けた奇才てかアホになった愛すべきアーティストです。
この機会に、ご興味を持たれた方一聴してみてはいかがですか?