カレー屋店主の辛い呟き Vol.4「Shuffle GenerationとLONDONJAZZ」

大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の”ふぁにあ”と申します。

暖かくなってきましたね、最近。

入り口にドアが無い。暖房器具が学校に置いてあるようなアラジンストーブしか無い。改善するためのお金も無い。と、ないない尽くしのウチのお店。今年も無事越冬完了でございます。

来ていただいているお客様の安堵の表情と、今年も冬乗り切ったねという台詞。

来年こそは、何とかしたいなと思ってはいるのですが、どうなることやら。

すぐに、ドアが無い。冷房器具が無い。お金が無い、暑い夏がやって来るしなー。

はー。誰か仕事下さいな。いやマジで、ガチで…w

 

と、関係ない感じでだらだら書き出しておりますが、今回もお付き合いくださいね。

 

さてさて、何のお話をしましょうかね。んー。

ウチのお店のモニターには、基本なにかが映っててそれが基本店内BGMとなってる訳で、そのセレクトの基本順位は、好ゲームのスポーツ中継(あ、つまり負けゲームの阪神戦はナシ)と、所さんの笑ってこらえて(世の中で一番すばらしい番組!)を最優先に。

それ以外の時間はMV?あれっPV?なんてゆーの、音楽の映像?(バカっぽい..)が脈略なく流れているのですが、時々「これ何の映像が流れてるの?」と聞かれることがあります。

 

先日も、同様の流れで「僕が適当に好きなやつをリストにして、流してるだけなんですぅ」

と言ったところ「ジャンルとかバラバラやねんねー」との返し。

あー確かに。ウチの店の店内BGM、BGV?はHIPHOPからJAZZ、J-POPから乃木坂46までジャンルや年代やモロモロがバラバラで、でも、なんとなくCHILLなものがある一定の深さでセレクトしてあるのですね。半分無意識に、半分意識的に。

 

これって今風だとspotifyのLIST。50前のおっさん風だとミックステープ。DJ的にはチルミックス。それで、なんやかんやとお客さんと話しながら、改めて「そーいえば家以外で、アルバムをフルで聞くことないわー」って思ったワケですよ。

 

円盤からデータになると、様々な場所やシチュエーションで音楽を聴くシーンもどんどん増えて音楽の聴き方が変わってきた昨今。僕も、このアルバム。じゃなくて、自分の気分優先ってか、そのシチュエーションに合うように何パターンかミックスを作ったり、spotify的なやつでリスト化したりしてる訳です。

んー。

やっぱアルバムをトータルで聴くこと少ないかも…。

昔、借金を作りながらアルバムを作っていた立場からすれば、アルバム全部を通して聴かれづらくなったこの状況は少しさみしくなったりする訳ですが。

でもね。アルバム不要論とか、音楽の聴き方が浅くなったとか。良い、悪い。

じゃなくて、これが2010年代って事なんすね。知らんけどw

 

でも、CMでやってたように「パーティーにぴったりの曲をかけて!」からの、

「ハイワカリマシタ。ピッ」ってなのは個人的には…。

てか、この曲選んでるの、どのDJで「オマエハダレダ」って話。

 

少し脱線しましたけどネ。何が言いたいのかってゆーと。

いいように考えれば、若い時にレコードしかなかった僕と違って、Shuffleしながら音楽を聴く、この状況で育って音を作ってるアーティスト達って、ジャンルとか飛び越えてより自由なフィールドに行く事が出来るのではなかろかと。でもって、リスナー側も色んなものに触れるチャンスはより多くなってる訳ですし、悪い話ばっかじゃないなと。

 

お客さんと話しながらそんな事を考えておりました。ええ、生返事しながら。

 

で、その時、頭に浮かんだのが、最近のロンドンのJAZZのシーンのアーティストさん達。

アーティストがジャンルの枠から解き放たれてるのにロンドンJAZZのシーンっていう文脈で語るのはどうかと思うのですが、ダブステップ以降、特になのかもしれないけど、20代30代の新世代のこのシーンのアーティスト達のジャンルレス、クロスオーバー且つ消化しきったその活動は”Shuffle Generation”ならではなんやろなと腑に落ちた次第。

それがJAZZやろって言われたらその通りなんですけどね。

 

せっかくなので、少し紹介すると、例えば、”Shabaka Hutchings”

もはや大物なんですけど、もともと”Sun Ra Arkestra”の一員っていう出自もあって、活動の多彩さとジャンルの消化の仕方がエグいです。例えば参加してるユニット”The Comet is Coming” 。

「ポストパンク+フリージャズが宇宙空間でクラッシュした」なんてわかるようなわかんないような事言われてますが、とにかく太いグルーヴ。

 

 

最近ではテナー・サックス、チューバ、ダブル・ドラムの変態編成の彼のband “Sons of Kemet”名義でカリブからラッパーと詩人を乗っけて世界一周したような(よくわかんない例え…。)作品をリリースしたり。ほんと自由。

 

 

他にも”Moses Boyd”や”Nubya Garcia”、”Ezra Collective”、その一員の”Joe Armon-Jones”語りだしたら切りがないくらいのアーティストが一気に台頭してきた面白さ。

各アーティストともそれぞれ切り口は違うけど、共通してるのはジャンルを飛び越える軽やかさと、実験的すぎずきっちり消化して塊になって出てきたようなグルーヴ。

 

今のShuffleしながら音楽を聴く、この状況で育ったアーティストさん達の生み出す音に最近やられてます。はい。

FUJIで見たいです。いやマジで、ガチで…。

 

Moses Boydのsolo。MADLIBとか好きなんやろな…。たぶん。