カレー屋店主の辛い呟き Vol.10.5

「ジョージア・アン・マルドロウの新譜が!そしてカレー屋はレコ屋になるってよ!ナラナイケド…」

大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の”ふぁにあ”と申します。

やっと秋っぽくなってきましたね。
店の入り口のビニールをぴったりと、1台壊れたクーラーを全開にして
お客様に「ぬるい!」と言わしめるこの店3回目の夏もやっとバイバイ。
そして、やがて到来するビニール&石油ストーブ全開の冬までの、短い快適な季節。当店にとっての秋ってこんなものでございます。ミナサマいろいろと大変なことございますが、元気でお過ごしですか?

最初に。いま気がついたことがあって…。
どうでもいいことなのですが。このコラム昨年の12月から書かせていただいて今月が9月末の更新でVOL11。ん?計算合わないじゃん。過去投稿見返すとVOL5抜けてました…。てなわけで今回はVOL10.5。来月は何食わぬ顔してVOL11とさせていただきますね。
な。どうでもいいことだろ。

さて。
当店「アイカナバル&ホイミカレー」ですが、オープンして3年。
なんか振り返るといろいろあったような、なかったような…。
そんなモノなんですよね、お店って。
知り合いのオーナーが店を作りたいと言い出し、暇だった僕がDIYで店を作ったのが4年前。最初は「愛加那バル」というお店でした。今年になってNHKで「西郷どん」が放映され「アイカナバル」ってセゴドンと関係あるの?なんてご質問をされたりする訳ですが、まさにそのとーり。奄美大島出身のオーナーが、奄美では超有名な西郷さんの2番目の妻「愛加那」の名前をつけたんです。その後、そのオーナーが撤退。せっかく店作ったし、やることが無いので引き継いだものの、俺、奄美に何の縁もないしなーと思ってとりあえず店名をカタカナ表記にしたところ、「あっ!行かな!バル」って意味ですよねーとゆー、取材に来たライターさんの素敵な勘違いを採用。当初の「アイカナバル」はそんなゆるーく始めた立ち飲み居酒屋でした。これが第一期「立ち飲み屋期」。

しかし引き継いだものの、カレーと酒しか作れないことに気づいたわけ。
で、椅子をもらい「うっまいカレーが食べれるバー」と言い切り。おまけに、最初は別の人間がやっているかのような設定で始めたランチのカレー営業。
今から考えるとかなりのナゾ設定ですが。(自分でもよくわからない…)
「ええ、ホイミカレーって名前でねー。うまいんですよこのカレー」と自分で自分をビガップするナゾの作戦と設定に限界を感じ、「なんしか全部俺ナンスヨー」と告白。「知ってるし」と突っ込みを受けながら、「酒が飲めるカレー屋」になったのが第二期。

そしてこの秋。
先日行ったLOSTAGEの五味君のレコード屋で聞いた彼の一言「家にレコードいっぱいあるからそれ売ろうと思ってレコード屋始めた!」(もちろんそれだけじゃ無いコトはわかってます!)に衝撃を受け、「俺もせっかくやから売ろう!」と狭い店内の片面をレコード棚にのんびりと改装。(中な)

試聴のタンテにお金かけると、先に冷暖房でしょ!と言われそうなので手に入れたのは、KIKUTANIってとこのテクニクスSLモドキの中古品3000円!キクタニ?なんだ?それ。

一説によれば譜面台とか、痒いとこに手が届くような商品を作っているメーカさんなんだそーで。お金があまりない僕の痒いとこにも手が届くターンテーブルってことねんと納得。続いて、いろいろな事情でアンプが必要になり手に入れたのがコレ。

昔のテクニクスのアンプ1000円。

ついでにmixerもってコトで手に入れたvestax680円

オーディオテクニカのヘッドフォンも380円で手に入れ試聴セットの完成。
途中から安くで手に入れるコトに面白さを感じていたよーな気も…。
ちなみに現状でも音は鳴るのですゾ。まぁいろいろと細かな問題はあるのだけど。
そんな感じで、この秋ぐらいから第3期「カレーが食えて、お酒が飲めるレコード屋」に変貌を遂げる当店でございます。って長々と何の話だよ。

でも、家に眠っているレコード達が、誰か他の人のお気に入りになって繋がっていく感じってデータでは味わえない面白さがあると思いません?ちなみにレコードは10円でも100円でも値段をつけて販売しよと思っています。ただのモノっておなざりに、なりそだし。ちゃんと聴いて欲しいんすよね30秒でも..。
レコードも買い取るので(お酒と交換でもいいよw)家で眠っているレコードをお持ちの方は是非。
持ち込んでもらったレコードの話を酒のツマミにして、その聞いた話を違う人にすることで、又酒のツマミになって。元の持ち主が話すそのレコードの背景やまつわる話ごとマルッとレコードを販売出来たらええなーと思ってます。なんとか冬までには実現できますよーに。

さてさて。
そんな感じでゆるい日々が続く当店ですが、音楽好きなお客さんが来店したときに弾む音楽談義の中でよくあるのが「なんかおすすめありますー?」ってヤツ。この1ヶ月この話の流れの中で必ずプッシュしてるのが「ジョージア・アン・マルドロウ」の新譜アルバムなんです。それこそ、ゴリゴリのロックが好きなお客サンにもね。リリースは10月末でまだ先で、僕も先行発表されてる数曲しか聴いてないのですが兎にも角にも間違いない。夏前に、友達のレコード屋さんで「Brainfeederからリリースやで!ヤバない!」って話とともに聞いた先行シングルのクオリティの高さ。フライングロータス主宰の「Brainfeeder」からのリリースだったり、もーね。期待感しかないのです。

始めて彼女の作品に触れたのは2006年の「STONES THROW」から出た1st。自身のルーツでもある70’sソウル、スピリチュアルジャズやHIPHOPの影響が混在したようなサウンドと、感情を揺さぶるようなヴォーカル。おまけに歌、トラック、コーラスはすべて彼女のセルフプロデュース作品。おまけに当時22歳とまさに才媛。現代のニーナ・シモンと言われる所以なんでしょね。このアルバムが出た当時、HIPHOP~R&B系のレコード屋やDJだけじゃなくて、テクノやハウス、ノイズ系の地下音楽を作ってる面々とも「聴いたほうがえーよ!」「いや聴いたけど」との会話を何度もした記憶があります。
その後もアルバムがリリースされる度に、このようなトークが僕の周囲で繰り広げられる訳で、好みの音楽が色々と異なる中で、幅広く皆がワクワクしながら話せる。これって結構珍しいこと。まぁ広くクラブ系の人達(嫌いな言葉…)の話ではあるんだけど。

僕にとっては数少ないアルバム発売までワクワクしながら待つことが出来るアーティストさんなのです。ご興味をもたれた皆様は是非!あと、スマッシュ様。このアルバムを受けての来日公演!無理なんですかねー南部さん!W

ついでにあと一曲。2012年発売のMADLIBとコンビを組んだ「SEEDS」70年代のスピリチュアルジャズとソウルを再構築してリファインしたような一曲。とにかく迫力や勢いを突き抜けたような美しさ!いい曲!