ディグごろディグられごろ 第3回

レコード屋や音楽活動を通じて広島や周りの面白い人を【ディグ(掘る)】って紹介するコラム第3回です。今回は年末SPという事で、コラムをまだ3回しか書いてないですが、個人的な広島MVPを発表したいと思います。

 

2018年【ディグごろディグられごろ】の栄えある広島MVPはGUY(ガイ)さんです!

 

広島の音楽シーンではお馴染み、でも県外の方々はまだまだGUYさんの事を知らないと思いますのでGUYさんの経歴を簡単に紹介したいと思います。GUYさんは80年代に広島で活動した伝説的ハードコア・バンド、愚鈍のオリジナル・メンバーにして、89年からはレーベル『BLOOD SUCKER RECORDS』を主宰して現在までに広島から123タイトルをリリース、93年からはDISK SHOP『MISERY』を経営と既にこの経歴だけでもリヴィング・レジェンド感が満載ですが、この2018年は僕が知ってる歴史の中でも特に凄かったです。その中でも特に印象深かった3つの出来事に焦点を当ててGUYさんを紹介出来ればと思います。

先ずは2018年6月6日に『BLOOD SUCKER RECORDS』から発売された『アコースティック不法集会』について。

遠藤ミチロウ、小河原良太(JIGHEAD)、NAOKI(SA)、Gotch(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、FUGU & JAM、ワタナベマモル(MAMORU & The DAViES)、柳家睦、八田ケンヂ(KENZI & THE TRIPS)、ギターパンダ、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、骸 a.k.a. GUY(Origin of M)、永山愛樹(TURTLE ISLAND、ALKDO)、BAKI(GASTUNK、MOSQUITO SPIRAL)、the LOW-ATUS (TOSHI-LOW、細美武士)と言う特濃な面子を集めて製作された本作は僕の知る限り、日本で初めてのハードコアによるアコースティック・アプローチ作品だと思います。少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、個人的には作品の意義を含めて日本ロック史の教科書に載るレベルだと思ってて、この作品をハードコア枠だけで収めるのは勿体ないと思い、宣伝活動をご協力させて頂きました。GUYさんが長年のキャリアで縁を紡いできたアーティストばかりで、一流大学を出て大手レコード会社に勤務したディレクターでもなかなか作れない作品だと思ってます。

 

『平成30年7月豪雨災害』での活動について。

未だみんなの記憶に新しく広島にとっては現在進行形の災害ですが、平成26年に起こった8月豪雨災害での復旧活動を基に『SAVE THE HIROSHIMA』というボランティア団体を作り、現在も精力的に活動中。と、この文章だけ読むとスマートな活動に感じると思いますが、現場は壮絶です(笑)。GUYさんですが僕の知る限り、本当に広島で1番現場に行って土砂を掻いてると思います。ボランティア活動に関しては散々意見を交わしてきましたが、色んな意見があり正解が難しいです。

『やらない善よりもやる偽善』とか『アピールしないでやる事こそが真のボランティア』とか。まだまだあると思います。

GUYさんはシンプルです。ただ現場に行ってひたすら土砂掻いてます。もう全てどうでも良い程に土砂掻いてます(笑)。凄くシンプルなんですよね。僕達の周りだとミュージシャンや音楽関係者による復興作業が盛んだと思いますが、そんな事すらあまり関係無い所で活動してると思います。先月の4.14の記事でも書きましたが、復旧作業に有名・無名は関係無いんですよね。この感覚を共有出来てるから僕はGUYさんのボランティア活動が好きです。少し過激派に映るかもですが(笑)。

最後に『TO FUTURE』と言う平和活動について。

2005年に始まったこちらの活動では、毎年8月6日にFREE ZINEの発刊と、同日にライブ・イベントが開催されています。

原爆が投下された8月6日に現在の広島では2つの音楽イベントが開催されています。1つはGUYさん主催の『TO FUTURE』
もう1つは僕の先輩でもある今村君を中心に僕も関わっている『EIGHT SIX』。個人的な見解ですが『TO FUTURE』は主に『反戦・反核』を『EIGHT SIX』は『平和』を軸足に活動していると思います。最終的にはどちらも『平和』をゴールとしている事は言うまでもありません。当日広島に来て感じてもらえば分かると思いますが、2つのイベントが奇跡的に共存している稀なケースだと思います。僕は2つのイベントを構造的に理解しているのですが、ここでもGUYさんの活動は凄まじいの一言です。

相当乱暴な言い方をすると『EIGHT SIX』が1年間かけてボランティア・スタッフ含め30人位でやってる事を『TO FUTURE』はGUYさんと数人でやってる印象があると同時に、『EIGHT SIX』はライブ以外の活動ではまだまだ考えなくては??と感じる事も多々あります。こちらもお互いのスタンスが微妙に違うので何基準か一言で語るのは難しい所もあります。が、『EIGHT SIX』はそんなGUYさんの活動に刺激を受けている事は事実です。音楽的に観た今年の『TO FUTURE』も素晴らしい物がありました。僕は8月5日しか参加出来ませんでしたが、GAUZE、ORIGIN OF M、切腹ピストルズ、WARHEAD、PILEDRIVERと広島でなかなか見る機会の少ないバンドが満員のクアトロで行うパフォーマンスは圧巻でした。


これ全部今年の出来事ですよ。しかも全て広島から発信している事です。僕がリビング・レジェンドと言ってる意味が少しでも伝わりますでしょうか??

しかしここからが本題です。

ぶっちゃけますよ(笑)。

誤解を恐れずに言うとGUYさんは悪い人でもあります。

いや、世間様で言う所の良い人(聖人)では無いって意味で言いたいんです。

最近の持ち上げられっぷりはGUYさん自身も少しむず痒いんじゃないかと思ってます(笑)。
こちらも誤解を恐れずに言うと、GUYさんは広島一のPUNKSだと思います。そうじゃないと思う反論も沢山あると思います。あくまでも僕が2018年現在に感じている感覚です。

僕が思うPUNKSって牙があるんですよね。ただの人の良いおじちゃんでは無いという意味です(笑)。良い、悪いという尺度よりも自分の信念で動いているアーティストという印象です。GUYさんが感性で動いた事が後で現象になるというか。広島の現場に常にいる方なので広島に来られる際は是非とも逢って欲しい人です。

 

STEREO RECORDS

神鳥孝昭