tricotのUKツアーに行ってきました。
2018年初夏にCHON主宰のライブでTTNGとPOLYPHIAと共に丸々1ヶ月以上にも及ぶ全米ツアーを敢行!そのタイミングで発表された新曲は日本では私のFLAKEより、USではtopshelfよりリリースされ、ライブにリリースにと日本代表として、とんでもなくたくましい活動を届けてくれるtricotが、同年の11月に自身がヘッドラインとなるUKツアーを発表。全6都市のツアー。ファイナルはロンドンでのtricotがトリとなるフェスに出演。
発表された時は、やっぱりtricotすげーな。攻めるな。
って思ってた外野だったのですが、色々あって、奇跡的な感じで、私がツアマネ(雑用全般)として同行することに。そんなことありますか!光栄な。
私自身は海外にはよく行ってるほうだと思いますが、こういう形でツアー制作の内部にも関わりながらがっつりとツアーするのは初ですね。1、2本の単発だったり、出来上がったツアーに乗っかったりはありますが。そんなこんなで、イギリスでのライブの制作過程や金銭のめぐり方などの段階から勉強にしかならない過程を経てイギリスへ!
日本からはtricotのメンバー4人と私のみ。
現地にて現地ツアマネ/運転手を雇い基本6人体制にてツアーバンで回るというスタイル。よく私も海外からバンドを招聘して日本ツアーを行っているのですが、始まりの時点から違いますね。
日本だと、私が招聘するので、私が運転し、全てを手配して各地へ向かうのですが今回の場合は、外部の人間を雇い、主に運転。ライブ前後のローディ的仕事。だけを任せるというやつ。基本指示はこちらからで、言われた事をするというスタイル。日本だと僕がホテルの場所から、打ち上げの会場から色々全部手配してるので、俺一人で完結できちゃうのですが、今回は、また違って情報の主がいっぱいいるというか、各会場にプロモーターがいて、それを一括する人もいて、とかややこしいなーと思いながらこなしていました。
日本だとライブ後に打ち上げという概念があると思うのですが、こちらにはない。
それはライブ後に飲食店としてやってる店がほぼないってのもあると思います。BARしかない。
食事はリハの後に、そのライブハウスから現金もらってその辺で食ってこい。っていうBUY OUTなシステム。もしくはレストラン併設の会場なら、そこで好きなものを食べさせてくれたりと。基本ビールはFREEで振る舞われます。後はだいたいフルーツが楽屋にあったりします。
よく海外のバンドを日本でツアーしていると、「俺らは演者だぞ、ビールは無料じゃないのか!」と怒り気味で言われますがシステムが知らなければそうなりますよね。こっちの当たり前とそっちの当たり前が違う。
ライブハウスでも、基本的にライブハウスが機材を持っていることはなくて、ツアーバンドは誰かに楽器をシェアさせてもらうか、まず倉庫に行って、そのツアー中の期間借りる楽器を選んで、借りて持ち回ります。今回借りたのはドラムセット1式。ギターアンプ2台にベースアンプ。そして予備のギター1本。それを借りたツアーバンと雇った運転手でツアーをすると。日本みたいにでギターだけ持って行ってもライブはできません。アンプがないしドラムがないんで。
そういう違いも日本のバンドは知ってる方がいいし、知れば日本のライブハウスのありがたみがわかってきます。反面、その楽器のレンタル的にノルマだったりがあったりするというのも理解できたりしますどっちが正解とか不正解とかの話ではないですが。
そんな感じで、ブライトン、ブリストル、ノッティンガム、グラスゴー、マンチェスター、ロンドンと6都市でtricotをメインとするツアーを敢行。
オフは1日ですが、ほぼ移動で終わりというハードな日程。各地200人前後の集客で、ソールドアウト会場も出るなど、現地でのtricotの人気というか、これまで何度も海外ツアーをこなして、地道に足で稼いできた評判や評価などの結果が、今ここにあるという感じで、努力が実った一過性のものではない熱量やファンベースを痛感させられました。そしてその熱狂的な盛り上がりに、心底感動させられましたし。誇らしくなりました。
私は子供の頃から洋楽の世界に夢見てた少年でしたし、日本のバンドが世界で活躍するなんて、あり得ないこととすら思ってました、近年はそれこそいろんな形で世界へ飛び出す日本のアーティストもいっぱいいますが、こうやって地道に挑んで、ライブハウス規模とはいえ、いろんなこと結実させた、その現場を目の当たりにして、別に自分でやったことではないのですが、この事実に少しでも関われた事が感無量でした。
普段ホワホワしてるメンバーと、ライブでキレッキレの爆発力と集中力を見せるギャップや、人としての魅力も存分に再確認できて、様々なことを勉強できたし、各地のレコ屋の状況を確認したりと、とにかく圧倒的な経験値を得たツアーになりました。
メンバー的には、「結局あいつなんもしてなくね?」って感じかもしれませんが、必ず恩返し出来る未来へのヒントやモチベーションになったので、待っててください。tricotのみんな!
一からツアーのやりとりできれば、もっとあそこ節約できるな。とか、そもそもイギリスは日本と同じ左側通行なので運転楽勝だし、運転すれば、ドライバー代浮かせれるな。とか、ホテルをもっと会場とのバランスのいいところに取れるな。とか。行かないとわからない答えがいっぱいありました。
tricotに関しては、もちろん現地でのリリースもあります。イギリスのBIG SCARY MONSTERSというレーベルからリリースされていますし、そこのプロモーション力、そしてバンドのライブ力で掴んだ今ですが、近年の国という概念を超えたストリーミングサービスが様々な壁を飛び越えて、様々なバンドを予想だにしなかった未来へ導いてくれる事も多くなりそうで、まだまだ楽しみですね、未来。
次はどこの国へ行けるかな。
PS ロンドン公演翌日、帰国日の飛行機までの時間に、まさかのFEEDERがロンドンでリハしてるって事で、TAKAさんに誘ってもらって遊びにも行ってきました。