Botanical House へようこそ。
- 2018.12.12
- KYOTO
- Botanical House, Homecomings, シャムキャッツ, スカート, 京都磔磔, 夏目知幸, 澤部渡, 豊田, 道倫
京都の老舗ライヴ・ハウス『磔磔』から発信するイベントをやろう、という話になったのは1年半ほど前のことです。話をもちかけてくださったのは、フジロックでお馴染みSMASHの関西ブランチ=SMASH WESTの南部裕一さん。京都生まれの南部さんはもともとスタックオリエンテーションというSMASH WESTの前身会社の頃からずっと関西で様々なイベントの現場を見てきたリヴィング・レジェンドで、現在はSMASHの関西公演の多くを仕切っておられる他、フジロックでは《苗場食堂》の“番人”として毎年体を張っていらっしゃる。多くを語らない人なのにライヴ会場でその穏やかな笑顔の姿をみかけると妙にホッとする、そんな存在感のある重鎮なのです。
そんな南部さんと今年2月に企画イベント《BOTANICAL HOUSE》をスタートさせました。場所はお馴染み『磔磔』。この老舗のライヴ・ハウスで、今の京都の面白さを様々なアングル、世代から紹介する企画イベントを定期的にやってみようということで、最低でも京都のアクトを1組入れ、他のエリアや様々な方向とコミットしている刺激的な状況を伝えていくことにしたのです。2月の第1回目は中川敬(ソウルフラワー・ユニオン)+リクオ、吉田省念バンド、台風クラブというオール京都勢で3組。6月の第2回目はneco眠る、本日休演、安部勇磨(never young beach)。9月の第3回目は志磨遼平(ドレスコーズ)、キツネの嫁入り、ギリシャラブ……それぞれに大盛況でした。
そんな《BOTANICAL HOUSE》もまもなく2年目を迎えることとなりますが、1月は新年スペシャルということで豪華に4アクトを迎えます。まずは豊田道倫mtv BAND。パラダイス・ガラージとしての新作『愛と芸術とさよならの夜』も大好評の大阪出身の孤高のシンガー・ソングライター、豊田道倫率いるmtv BAND(メンバーは豊田、久下惠生、宇波拓、冷牟田敬)が最高のステージを見せてくれます。そして、その豊田道倫をカルト・ヒーローと呼びリスペクトをしてやまないスカートの澤部渡がニューEP「遠い春」を発表したばかりのさなかにソロとして登場。さらに、こちらも新作『Virgin Graffiti』をリリースしたばかりのシャムキャッツから夏目知幸が弾き語りで参加、さらにさらに、京都からは『WHALE LIVING』でさらに全国区の支持を広げたHomecomings……いずれも絶好調の4組です。
豊田道倫mtv BAND「City Lights 2039」、「鈍行列車に乗って」( 2013.9.5 at 渋谷WWW)
この4組が揃い踏みするのは、磔磔ではもちろんのこと、全国でも初めてのこと。豊田はHomecomingsのことが大好きでかねてより共演を望んでいたし、そもそも澤部とは長きにわたって昵懇。それ以前に、豊田は今回対バンする全てのアクトのことをちゃんと聴いてきている良きリスナーです。夏目はその豊田と直接の交流こそないもののHomecomingsや澤部とは仲良し。豊田のこともリスペクトしています。そして全てのアクトと直接つながりのある澤部渡は「何をおいても僕がそこにいなきゃダメでしょう!」と忙しい中駆けつけてくれることになりました。こんな奇跡が京都で実現するなんて……!
スカート「遠い春」
シャムキャッツ「逃亡前夜」
Homecomings「Hull Down」
今回トリをつとめてくれることになるだろう豊田道倫とはなんだかんだで20年以上のつきあいになりますが、出会った頃の豊田と40代の今の豊田は不思議なことにそのヒューマンな魅力において全然変わっていません。それどころか、現在の豊田のしなやかかつエッジーな作品、パフォーマンスはとても現代的で洒脱です。そんな豊田がデビューした頃にはまだちっちゃな子供だったHomecomingsのメンバーや、そのお兄さん的世代の澤部、夏目が今こうして一つのステージに立とうとしています。
まさしく2019年の干支さながらに猪突猛進する《BOTANICAL HOUSE》の新年スペシャル。満員の磔磔でこの素晴らしい4アクトをお迎えし、みなさんと一緒に新年会をしましょう! ぜひぜひ遊びにきてください! たくさんの方のご来場をお待ちしています!
岡村詩野