第16回 ダークウェブ・アンダーグラウンド-社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち 木澤佐登志(著)

ダークウェブ・アンダーグラウンド-社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち 木澤佐登志(著)
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このコラムと同じようにスマッシュ・ウエストさんで連載をされている『みーしゃのどんぶり勘定』のみーしゃさんに、僕の運勢を占ってもらいました。「僕はいつお金持ちになれますか?」と言う大変失礼な質問だったのに、とっても丁寧に占ってもらいました。みーしゃさん、ありがとうございました。連載でも書かれていたことですがこんな返答でした。

“2018年の運気で、これからの運勢が変わります。もし、2018年中に運が悪くて金運、体調面が悪かったら、良くなるのが2022年からです。そして、2018年に運気が悪ければ、2021年も悪いと思われます。おそらく2021年から2022年辺りに、それまで続けてきた事を辞めるか、方向転換する可能性があります。それによって状況が改善されて、2022年に金運が良くなってきます”

という占いなんですが、こんなに具体的に書いていいのかとびっくりしました。しかも僕は “2021年から2022年辺りに、それまで続けてきた事を辞めるか、方向転換する可能性があります”というのを、それまで続けていることを辞めたらお金持ちになると読み違えておりまして、2021年から2022年に仕事辞めたろ、ユーチューヴァーになったろと思ってしまいました。

上手く行かなかった時は、みーしゃさんに怒鳴り込みに行ったろ、と思ってたのですが、この原稿を書くために読みなおすと、辞めると良くなるとか一切書かれていなくって、自分から辞めるか、方向転換する可能性があると書かれていたのです。

やっちゃった。でも僕みたいなおっちょこちょい、読解力が弱い奴はたくさんいると思うので、占い師という職業は大変だなと。

昔、すごい有名な先生に占ってもらったことがあって、その時「お前人の話を聴け、地獄に落ちるよ」とブチ切れられていたのはそういうことだったのかと30年以上経って気づきました。

占いって面白いですね。コンピューターでいうディープラーニングのようなものかと思いました。色々な間違いを訂正しながら理想の答えを見つけるということなのかと。占いがどういう仕組みになっているのか全く分からないですけど。

人間の考えることなんで大体一緒何でしょうね。ディープラーニングによる自動運転はそうです。コンピューターの中で、これをやったらあかん、あれをやったらあかんということを瞬時に計算しながら、安全に目的地まで連れていってくれるわけです。人間も同じことをやっているわけですけど、これをやったらあかん、これをやったらあかんとか考えながら運転しているやつは完全に頭がおかしい奴ですが、コンピューターにはそう学習させていくわけです。でも本当は人間も本当はそうやって運転しているのかもしれないですけどね。

だからコンピューターの世界はダークになるのです。というのは完全にこじつけです。でもダーク・ウエブというのがどういうものなのか勉強したくって木澤佐登志さんの『ダークウェブ・アンダーグランド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』を読みました。本のタイトルからして刺激的です。目次もやばい。“分断されたインターネット”“フィルターにコントロールされた「自由」”“国家安全保障局との攻防”“殺人請負サイトQ&A”などなど。

殺人請負サイトなんてすごく良く考えられている。と思ったらこの本に書かれているのは大したことなかったです。ジェイミー・バートレットの『闇ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』に出てくる「暗殺市場」というサイトはよく考えられている。どうやって警察に捕まらないようにするかというと、そのサイトのトップ・ページには殺したい人間のリストがダーとあるそうだ。政治家とか経営者がほとんどだそうだが、ロック・スターとかもあるかもしれないですね。そして、そのリストの中から暗殺者はその人の死亡日時を予言する。そしてその予言が当たればその自分にかけられた懸賞金がもらえるというシステムなのだ。これをビットコインでやるから誰が依頼し、誰が請け負ったか分からないシステムなのだ。お前ら一体何を考えているんだと思わず叫んでしまうが、嬉しいことにまだ誰も実行されてはいない。当たり前だ。木澤さんの本はネットから情報を収集しているだけだが、ジェイミー・バートレットの方は実際にその運営者に会いに行っているのが面白い。で、大体やっている人たちは普通の人たちなのだ。

この本以外にもっと簡単にダーク・ウエブのことを知りたい方は『DOPE』という青春ヒップホップ映画を観ると一番分かりやすいです。どんなものでも買えるシルクロードというサイトとビットコインのことがよく分かります。木澤さんの本は人に会いに行っていないですけど、「ヴェイパーウェイヴ」と呼ばれるポスト・インターネットを象徴する音楽ジャンル/カルチャーについて詳しく書かれているのが面白いです。後 鳥羽つぐと呼ばれるバーチャル・ユーチューヴァーのネタも不気味です。興味ある方は調べてみてください。

ネットの世界はとんでもないんですけど、僕みたいなものがユーチューヴァーになれるんでしょうか?みーしゃさんに占ってもらいたいものです。