トムス・キャビン、麻田さんとの思い出。


読んだ。日本にRAMONESやELVIS COSTELLOやTOM WAITSを最初に呼んだ人の話。
このコラムを書かしてもらっているSMASHを立ち上げた人でもある。SXSWの日本の部分を担ってる人でもある。
ネットのなかった時代の海外バンド招聘なんて、今と全く比較できない大変さだと思う。機材の手配や海外の航空券の確保、日本国内の移動も今とは雲泥の差だと思う。そんな時代を生き抜いたと言うか、色んなことを切り開いた人。海外アーティストをDIYで色んな地方に連れて行くと言う流れを作った人。

2012年の話。FLAKEでリリースした日本のNOKIES!と言うバンドがSXSWにエントリーして選出。英語で懸命にやり取りしてたら、JAPAN NITEから連絡。JAPAN NITEにてNOKIES!の全米横断ツアーをしないかという打診でした。そして担当者のオードリーさんと東京でミーティング。少しお金はかかったが、その話に乗って全米ツアーをした。その時にツアーマネージャーをしてくれたのがこの本の主人公、麻田さんである。
この全米ツアーの初日。飛行機のトランジット遅れから、NOKIES!のメンバー2人が乗り換え先で飛行機に乗り遅れるというミスが発覚。それぞれが時間を潰し、搭乗時間になったから、飛行機に乗っていた。席がバラバラだったので乗っているもんだと思っていたら、テキサスに着いてから、乗っていないと。青ざめる僕ら。
そこで僕たちを出迎えてくれたのが麻田さんとの初対面である。
そんなテンパリ気味の僕たちでしたが、麻田さんは冷静に「じゃああの空港に飛んでもらって迎えに行けばいいかなー」とか、微動だにせずに色々代案を出してくれた。結果翌日の飛行機に乗れることになり、遅れたメンバーは空港から直接会場にタクシーで乗り付け即ライブという、怒涛の展開となったわけですが、今思えば、その冷静さも判断も経験の賜物なんだろうなと思える。

余談ですが、着いた直後にRAGE AGAINS THE MACHINEのTOM MORRELOが道端で飲んでたのでCDを渡して写真を撮った瞬間です

ツアーは飛行機やバスでの移動をして全米横断である。東海岸から西海岸まで。
そこまでガッツリ話し込んだ訳ではないんですが、色んな話を聞いた記憶がある。
この本にあるRAMONESの来日やELVIS COSTELLOのあの街宣車ゲリラライブの話とか!
やばいなこの人。って思っていた。
そしてとある会場の終わりかなんかで
「NOKIES!いいバンドだね、もっと色んなとこで見つかるといいね!」
文章は違うかもしれないがそう言ったニュアンスの事を伝えてくれた。それを凄く覚えてて、売れると評価されるは違うし、うちがリリースしてるのは売れると思ってやってるんではなく、売れそうって思ってトライしてるのでもなく、このバンドめっちゃええねんから、みんなに知って欲しい。と言う気持ちがメインなのですが、色々結果も出なくて、もどかしい事が多いんだけど、なんか伝わるとこに伝わるし。そこを信じてこそだな。と言う当たり前の事を感じた出来事でした。

その2012年の時点で、僕はもうFLAKE RECORDSをやっていますし、個人で様々な海外アーティストを招聘して日本ツアーを行なっていました。基本的にメールのやり取りで物事が全て進められます。もちろん大変なのですが、この本を読んで、あの時代に国際電話とかでやりとりして、海外からバンドを招聘してツアーをするなんて、本当にとんでもないことだなと痛感します。自身が同じような事をしているだけに、尚更。

そして今でも大変、大変と思いながらめげずに招聘をやってますが、それでも生ぬるいというか、恵まれてるんだな。と実感できましたし、もっと頑張らねばなーと、気持ちにパワーを貰いました。
そんな本です。

もちろん招聘とかやってるやってない関係なく、この本に記された事実がとんでもなくワクワクする出来事ですし、昨今当然のように日々行われている様々なインディ系の海外アーティストの来日公演への道を作った人なんだなと、楽しく読めると思います。是非読んでみてください。

そんなこんなで、私も今年初の招聘をバチコンと5月にやります。
昨年、一昨年と2年連続でツアーを行ったノルウェーのAIMING FOR ENRIKEというデュオバンドがいるのですが、そのバンドがありがたいことに今年東京で行われるフェス、AFTER HOURS’19に呼んで貰ったので、そこを皮切りに怒涛の9連荘ツアーを行います!昨年のツアーは13連荘だったので楽勝です!
過去2度のツアーでの手応えもありますし、ライブの凄さはまず間違い無いので、是非ともどこかで見届けてください!
そして夢のフジロック出演へ!!!よろしくお願いします!!!SMASHの皆様〜〜〜!!!