第17回 the for GAFA 四騎士が創り変えた世界 スコット・ギャロウェイ (著)

 the for GAFA 四騎士が創り変えた世界 スコット・ギャロウェイ (著)
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家計簿も携帯でつけられるようになって毎日家計簿をつけている久保憲司です。何年か後にはこれで確定申告まで出来るようになって便利な世の中になるんだろうな。でもこれで何年か後には税理士の数も1/10になるんでしょう。

先月は木澤佐登志さんがダーク・ウエブのことを書いた『ダークウェブ・アンダーグランド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』という本を紹介しましたが、今月は次の勝者になるのは誰かということが書かれた本です。また音楽と関係ない本かと思われたか方も多いと思いますが、『the for GAFA 四騎士が創り変えた世界』というタイトルを見て、ピンと来た方も多いはずです。

ギャング・オブ・フォーですよ(関係ないか)。GAFAとはグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの略です。この4大企業によって、今世界は制覇されていて、このうちの一つが最終的に世界を支配するんじゃないかという本です。そこまでは言ってないか、でも読んでいてそういうメッセージが伝わってきます。

グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、みんなこれらの企業の製品を使わせてもらって、気持ちいい思いをさせてもらっているんですが、でも気づいたら、それお前コントロールされているんじゃないかということが書かれています。

日本でいうとソフトバンク、楽天、ZOZO、メルカリですか、なんか迫力ないですね。勝てそうですよね。でもグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルには負けそうです。

この本によると、アマゾンは、アメリカの雇用を年間7万5千人になくしていっているそうです。ちょっと前までアマゾンの倉庫で働いている人たちはすごい扱いを受けていると言うのが話題になっていましたが、今はそんな噂を聞かなくなりました。どうなっていると思いますか、実はアマゾンの倉庫には誰もいなくなっているんです。機械化が進んでロボットが全部やっているのです。アマゾンはこのことがバレるのを嫌って、一切写真を撮らせていないのです。アニメのサウスパークの新ネタがこのアマゾンのロボット倉庫ネタでした。宇宙人のようなアマゾンCEOジェフ・ベゾスが現れて「オマエラマダムダガアル シネ」とかいうお話でした。

アメリカのスーパー、ウォルマートはアメリカ中の小売店を潰して、そこで働いていた人を最低賃金で雇ったのですが、今ウォルマートを潰しまくっているアマゾンは、最低賃金でも雇ってくれないのです。

5年後くらいには今宅配してくれているお兄ちゃんたちも、ドローンに変わって、携帯の音が鳴ったら、ベランダに出ればドローンがいて、荷物を届けてくれるシステムになっていると思います。ハンコも要らなくって便利ですけど、違う!!!!

仕事が無くなるんです。アマゾンCEOジェフ・ベゾスはその辺のことを凄く心配してくれていて、アメリカ政府に「このままでは商品を買ってくれる人間がいなくなるから、政府のお金でベーシック・インカムをやってくれ」と僕らの代わりにお願いしてくれているんです。ありがとうジェフ、法人税ちゃんと払えよな。

こんなアマゾンですが、多分フェィス・ブックに負けそうなのは目に見えています。この辺はまだ本に書かれていませんが、昔はグーグルで検索していたのが、今はアマゾンで直接検索する人がほとんどになりつつあると、ここまでは書かれていたんですが、これからは多分アマゾンで検索せずにインスタグラムで検索して商品を買う人がほとんどになります。商品管理、配達はアマゾンがするんでしょうけど。でも入り口が一番金を取れるというか、ゲームをコントロールする人間になるので、インスタグラムの親会社フェイス・ブックが人類市場初めての1000兆円企業になるのでしょう。

誰が写真に、ここまでのパワーがあると思った。写真家の僕も思わなかったです。20年前までは日本人はいつもカメラぶら下げて写真ばかり撮るバカと思われていたのに、今や世界中の人がカメラをぶら下げて写真を撮りまくってます。みーしゃさんにこんな未来が見えていたか占って欲しいです。

ちょっと前まで食べログで飯屋探していたのに、もう誰も食べログなんか見てないです、沖縄のどこか知らない場所に行って、沖縄ソバ食べたいなと思ったら、インスタグラムの検索に沖縄ソバと入れたら、近くの美味しそうなお店の写真がどっと出てきて、ショーウィンドウを見るように美味しそうな店を見つけることが出来ます。文章なんか読まなくってもいいのです。お店の雰囲気、それを撮ったお客さんの感じ、料理の写真、この3つでどこの店が良さそうか1分とかからずにで分かるのです。言葉なんかいらないです。こんな辺鄙な所に日本人でも知らないのにどうやって来たんだろうと思わせてくれるオシャレな中国人、韓国人の人たちがソバをすすってます。

大変な世の中です、音楽業界はiTunesいいなとすり寄っていって、完全に潰されたんです。潰されたというのは言い過ぎか、下に置かれたのです。

なんであの時、シングル一枚の値段が700円もしてたのに、一曲150円とかのオファーをオッケーしてしまったのか、お客はシングル700円で買う時はほとんどA面の曲だけに700円払っていたのに。一曲500円くらいの設定にしてたら、音楽業界は元気だったかもしれない、いやストリーミングが出てきたから最終的には一緒か。

音楽は永遠に不滅だからいいんですけどね、僕の子供の頃は音楽で食おうなんて思ってた奴なんか一人もいなかったですし。

でも、まっ、世界を支配したい人、世界に支配されたくない人は必読の本です。読んでみてください。