第18回『ファンタジーランド(上・下):狂気と幻想のアメリカ500年史』カート・アンダーセン著

『ファンタジーランド(上・下):狂気と幻想のアメリカ500年史』カート・アンダーセン著
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今月も音楽と関係ない本ですが、今音楽をやっていく&聴いていく上で読んでいた方がいい本、カート・アンダーセンの『ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史』を紹介します。あともう一回音楽と関係ない本を紹介しますが、しばしお付き合いください。基礎教養を身につけるというやつです。でもなぜロックンロールがアメリカで生まれたのかについて解き明かされる本でもあります。上下2巻ととっても分厚くお値段も2冊買えば4320円もしてしまうのですが、試しに上巻だけ買ってみてもいいかもしれません。

どういうことが書かれているかというとアメリカという国はカルト宗教の国なんじゃないか、ということです。すいません、これは僕が書きすぎてます。でもよく考えてみてください神の子キリストを信じる人たちの国ですよ。

もちろん、僕たちも昔は天皇陛下を神の子と信じて、侵略や戦争を行ったわけです。

零戦ってなぜゼロセンって言うか知ってますか?当時の日本の軍用機の名称は採用年次の「皇紀」の下2桁を冠する規定がありまして、零戦の制式採用された1940年(昭和15年)は皇紀2600年にあたり、その下2桁の「00」から「零式」とされたんです。令和、年号めんどくせいといっている人が多数を占める今、皇紀2600年なんて真剣に思っている人なんかいないでしょう。当時「皇紀2600年めんどくせえ」なんて言ったら、憲兵に殴られてました。ちなみに今は皇紀2679年です。

そんな幻想をといてくれたのがアメリカだったわけです。日本を軍国主義から民主主義にしてくれたあのアメリカ様が(本当は戦前の日本も民主主義だったんですけど、この辺話だすと長くなるので、アメリカが日本に民主主義を与えてくれたという幻想に酔っておきましょう。)、キリストは神の子で、いつか復活して戻って来てくださると信じている人たちの国って、おかしくないですか、死んだ人が生き返るわけないじゃないですか、でもアメリカではこれを信じていない人は大統領になれないです。キリストは神の子じゃないと言ったら落選します。

もちろん、ほんとんどの人がそんなこと信じていないです。でもアメリカでは半数近くの人がそれは真実だと思っているのです。この科学の世の中に。

多分日本では死んだ人が生き返ると思っている人なんか、10%くらいしかいないじゃないでしょうか?いたとしても周りから「何バカなこといっているの」とたしらめられると思います。アメリカだと「そうだよ、そうだよ」と賛同してくれる人たちがたくさんいるということです。

今アメリカで起こっていることってこれなんです。そのことについて書かれている本なのです。

旧世界(ヨーロッパ)では長い歴史の中でキリスト教は科学と折り合いをつけて来ました。でも新世界(アメリカ)に渡った人たちは、私たちは自分たちが信じるものは正しいということを信じる自由があるという価値観を身につけたのです。

それがファンタジーランド、アメリカじゃないかと歴史から紐解いていくのです。

そして、これがトランプは正しいという人たちを50%も生んでいる原因だと説明するのです。

自分たちが信じるものは正しいという考えはトランプを支持する右的な考えと今は思われがちですが、そういうことをまず一番最初にやりだしたのは左的な人たちだったと説明してくれてます。

簡単に書くと、ヒッピーたちはLSDをやり、自分たちが見たものを真実だと思ったということです。

LSDとかやって自然が一番だとか言い出す人たち、僕の周りにも多いです。陰謀論とかにもすぐにハマってしまいます。世界はユダヤ人に支配されているとかすぐに言います。「ユダヤ人が世界を支配していたら中東はあんなことなってないだろう」ときいても、「あれは世界を安心させるためにわざとやっているんだ」とかわけわからないことを言います。「ナチに六百万人殺されて、その前には何世紀にも渡ってポグロムという集団的迫害行為(殺戮・略奪・破壊・差別)をされて来たユダヤ人がいつ世界を支配したの」とたずねても正確な日付は教えてくれません。

僕もLSDをやって、世界の法則とか理解しましたけど、それはトンでいただけだなとちゃんと認識しています。自然に帰ったら世界は救われるとか絶対思いません。

この本には“アメリカで何らかの幻覚剤をやった人間の数は3200万人、その人たちが幻想を信仰する宗教の信者だとすると、この国で二番目に大きな宗教団体となる。アメリカ人の大麻の生涯使用率は北ヨーロッパよりも2~4倍高い。それだけ頻繁にドラッグが利用されていれば、それにより誘発される幻想は、ハイになっている数分間あるいは数時間を超え、普段の思考にまで浸み込んでいく。それは必ずしもプラスに働くとは限らない。”と書かれています。

日本で言うと、幻覚剤はネット、TVに置き換えらるのでしょう。

アメリカだけではなく、日本、世界は、二つに分断されていっている、それがなぜなのかのヒントがこの本には書かれています。

ロックンロールって巨大な妄想から生まれたと思うけど、僕は世界を変えれる真実は絶対あると信じているんですよね、そんなヒントはどこかにないかと色んな本を読んでます。