第19回 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之 翻訳

『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之 翻訳
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『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ著/柴田裕之 翻訳
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今回でここ2回書いている音楽に関係ないけど、今の音楽を理解するために絶対読んでおいた本紹介シリーズを終わりです。最後を飾るのは2冊『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』です。両方とも上下本なので、4冊も読めないと言う方がほとんどだと思いますが、『サピエンス全史 』の上巻だけでも、目からウロコのことがたくさん書かれてます。

作者はユヴァル・ノア・ハラリという頭の禿げ上がったゲイのお兄ちゃんです。イスラエル人でヘブライ大学で歴史を教えています。

『サピエンス全史』をなぜ勧めるかというと、これを読んでおけば宮崎駿『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『となりのトロロ』の背景が何んなのかということが分かるからです。

後、ドラッグやったりして、自然崇拝にハマって、田舎最高とか言うエコ・アーティストを冷めた目で見ることが出来ます。

サピエンスで語られるのは人間にはこれまで認知革命、農業革命、科学革命、と言う3つの革命があったと言うことです。そして今次の革命が来てるぞ!と。

その前に僕たちホモ・サピエンスは仲間がいないということをご存知ですか?これがどういうことか分かりますか? ネアンデルタール人から僕たち進化したと思うでしょ?実は違うんです。もちろん、僕らの中にはネアンデルタール人の遺伝子も2%か3%は入っているそうなのです。ネアンデルタール人の他にホモ・ソロエンシス、ホモ・フローレシエンス、ホモ・ルドルフェンシス、ホモ・エルガステルなどがいたのですが、どうもホモ・サピエンスが移動するたびに、それまでそこにいた人たちは姿を消していくことになったのです。

どうもホモ・サピエンスが全部殺していったみたいなのです。この話が最後の『ホモ・デウス』につながるのでよく覚えておいて欲しいのですが、なぜ全部殺していったかというと、どうも匂いが嫌いだったとかそういう理由みたいなのです。もちろんその中には匂いが弱いものもいて、もしくはそういう匂いが好きなものもいたみたいです。きっとその人は周りから変態と言われてたんでしょね。そういう変態が交尾し、僕たちの遺伝子の中に少し残っているということなのです。

当たり前のことですが、アフリカ人も、白人も、アジア人も全部同じホモ・サイピエンスです。「ホモ・フローレシエンスの匂い、別に気にならないわ」というのが影響して、アジア、南米の人は小さい、白人は白い、黒人は黒いという違いを生んでいったわけです。ホモ・サピエンスが登場するまで、世界にはいろんなホモ何ちゃらかがいたのです。

こうして地球中に拡がったホモ・サピエンスは(以下サピエンスに、サピエンスという人は賢いという意味です。自分たちで自分たちを賢いだって、なんておこがましい)、農業革命をしたわけです。それまでサピエンスは狩猟民族だったわけですが、農業革命を起こしたサピエンスに淘汰されたのです。地球中を農業民族だけにしたのです。もちろん狩猟民族も残っています。でも皆さまを知っているように少ししかいないわけです。

この部分が『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『となりのトロロ』に関係するわけですが、「人間農業だけやっていたらいいんだ」という思想の持ち主だった宮崎駿の師匠高畑勲に叩きつけた挑戦状それが『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『となりのトロロ』だったわけです。

この挑戦状も高畑勲『平成狸合戦ぽんぽこ』の「俺がそんな農村がすべてだみたいな短絡的な思想をしてたと思ってたの、宮崎くん、甘いな」と見事に打ち砕かれるんですけどね。

『平成狸合戦ぽんぽこ』のテーマは、トトロたちが森を追われ、言葉も喋れなく劣化したのだという宮崎駿のメッセージを“本当にそうかい、彼らは今も元気にこの現代社会で生きているよ、そう思うこと(虚構)を信じることが生きていくことだろう”と投げ返しているのです。

魔法を信じろよというメッセージなのです。

普通移動する狩猟生活の時の方が貧しかったから、農耕生活に移ったと思われるでしょう。学校でもそう習った。町田町蔵風に言えば

“俺はのうのうとしてきた奴の子孫を
傍観して俺の屈辱をたたき込みたい
日本の歴史は血ぬられた犯罪
俺はそれを高校で習うた”

                  「ダムダム弾」

でも違うんですよ。狩猟民族の時代の方が体格も良かったんです。農耕民族になってからの僕らの祖先は痩せ細ろえていったわけです。

じゃなぜそうなのに、みんな農耕を選んだかです。

それがサピエンスがサピエンスより体格の良かったネアンデルタール人を全滅に追いやったことなんですが、サピエンスと他の動物との違い何ですが、他の動物も言葉を喋るということは解明されています。お猿さんの「タカが上にいるぞ」という言葉も解明されていて、その声が録音されたテープを流すと猿は上をみます。そして動物が嘘をつくというのも立証されていて、タカがいないのに、バナナを取ろうとしている仲間からバナナを取るために「タカが来るぞ」と嘘をついて、一瞬上を向いて隙を見せた仲間からバナナを奪い取るなどすることは分かっています。

ではサピエンスと他の動物の違いは何かというと、サピエンスは虚構を信じる力というか、弱点があるということです。

要するに神様という現実にないものを他のサピエンスに信じさせる力があるということなのです。

五十人のネアンデルタール人を五百人のサピエンスが襲って、何度もその襲撃に失敗した痕跡が遺跡の中から見つかっています。しかし何回目の襲撃でサピエンスはネアンデルタール人を全滅させることに成功します。その時からが使った手法は“この戦いで勝てば、いやお前が死んだとしてもお前の魂は神に召され、楽園で一生楽しく暮らしっていけるだろう”という虚構を使い、五百人人、いや千人の仲間を先導し、ネアンデルタール人の領土を奪っていったのです。

これが認知革命だというのです。

普通動物が集団を結成し、ベストな状態を保つのは百人から百五十人がベストとされるそうです。軍隊の小隊もそうやって運営されているそうです。しかし人間はこの認知革命によって、国家というシステムを形成出来るまでになったのです。国家、金、会社、宗教はすべてこの虚構から生まれているわけです。

科学革命で何があったかははしょりますが、前の連載で紹介した『the for GAFA 四騎士が創り変えた世界』のグーグル、アップル、フェィスブック、アマゾンのトップの人間たちが今何を研究しているかというと、不老長寿です。とにかくこの金持ちたちは永遠の命を手に入れようとすべての利益を投下しているわけです。で多分不老不死は無理だとしてもどうも永遠に生き続けることに関しては可能性が見えてきているのです。で、この恩恵にあずかれるのはどうも全員じゃなく、一部の人間だけじゃないかということなのです。

要するにその人間たちはホモ・サピエンスからホモ・デウス(神様)になるんじゃないかと。そして彼らがホモ・デウスになった時、彼らは僕らホモ・サピエンスをどういう風に扱うんだろうというのがこの2冊のテーマです。

オチは僕らがアリンコをなんとも思わないように、神になったホモ・デウスは僕らをアリンコのように踏みつぶすんじゃないかと。

僕は一応仏教徒なのでアリンコ殺さないんですけど。

彼らはホモ・サピエンスが他のホモなんとかを殺したように殺すんでしょうね。

みーしゃさんに占って欲しいですよね。神になったジェフ・ベゾスは僕らを殺すんでしょうか?って

そういうことが書かれた本です。

占いも虚構ですよね。そういう形のないものを気持ちいいというように僕らは認知革命しているわけです。

神革命に僕たちは生き残れるのかということなのです。