第22回 日本のロック名盤ベスト100 講談社現代新書 川崎大助(著)

日本のロック名盤ベスト100-講談社現代新書-川崎大助(著)
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「あいちトリエンナーレ2019」における「表現の不自由展・その後」展示中止問題、脅迫があったからと言って作品を撤去することは間違いだったなと思います。

 

「表現の不自由展・その後」と言うタイトルから分かるとおり、脅迫があると言うことは分かっていたから、それに対処することを警察などにちゃんと相談してからやるかどうかの判断をすべきだったんでしょう。

 

警察は「安全性を確保出来ないから、やるべきじゃない」と言うでしょうが、レイシストたちがデモをする時は言論の自由を守らないといけないとたった五十人のデモにも三百人から五百人体制で警備をやるわけです。それと同じことをやってもらうべきだったなと思います。

 

「予算的に開催期間ずっと警備は無理だ」と言うなら、展示期間を一日とかにすればよかったと思うんですが、それでやってれば凄いインパクトがあったと思うですけど。レイシストのデモを警備している警察を見ていると多分「予算がない」とか言わないと思うんですよね。仕事として楽しくやってくださったと思うんです。大阪サミットもびっくりな警備の中でやれたんじゃないですか、いや警備のプロだから、要所、要所に人員を配置して、そんなに目立たない感じでやったかもしれないですね。

 

脅迫の電話に関しても黒澤明の名作『天国と地獄』のように、警察の方が逆探知機を設置し、事務員の方達の横について、「もう少し長く喋ってください」と目で言いながら、「逆探知出来ました」とうなずいたりしたんじゃないでしょうか。クレイマーのようなネトウヨをたくさん逮捕出来たんじゃないでしょうか。すいませんこの辺はギャグです。でもやれましたよね。

 

「慰安婦像の作品」と「昭和天皇の肖像写真が焼けている作品」は、どちらの方が抗議が多かったんでしょうね。「昭和天皇の肖像写真が焼けている作品」にいまだに抗議があるんですかね。陛下の写真を焼いたらいけないですよね。昔だったら死刑ですよと思って、ウィキで調べたら、3月以上5年以下の懲役なんですね。大した罪じゃないですね。多分1回目は執行猶予がつくんでしょうね。取り調べ中に特高に殴り殺されていたかもしれませんが、罪を認めれば殴られもしなかったんじゃないでしょうか。

 

この辺は判断が分かれる所ですね。NHKの朝ドラ『まんぷく』で主人公が特高に捕まって拷問を受けるシーンが流れたら、〈乱暴な憲兵の拷問シーンでもう見る気が失せた。昭和30年代40年代の戦争ドラマの見過ぎだよ。いつも悪者に描かれて、憲兵が気の毒だ〉〈朝ドラ。また日本兵が拷問しているところです。「やったといえー」と。優しい兵隊さんのエピソードは全く出てこないTV。日本人をどこまで貶めるのか〉〈全くひどい。NHKは、戦時を描くのに必ずこのパターンを使用しますね。庶民は、軍部に苦しめられたというGHQが70年前に東京裁判で使ったロジックをそのまま使い続けています。NHKを潰しましょう〉などの投稿がツイッター上で飛び交ったそうです。絶対NHKにも電話しているでしょうね。

 

「慰安婦像の作品」と「昭和天皇の肖像写真が焼けている作品」どっちが抗議が多かったんだろうと僕は気にしてたんですけど、一緒か、結局文句を言っているのは歴史修正主義者何でしょうね。その数が増えていっているのかどうなのかが知りたいところです。

 

天皇のタブー問題なんて「朝生」で天皇問題をやった時にもう解決してるんだろうなと思っていました。

 

川崎大助さんの『日本のロック名盤 ベスト100』を読んでいて、その第18位がアナーキーのデビュー・アルバム『アナーキー』だったんですが、「東京・イズ・バーニング」が収録されていないという事実を知ってびっくりしました。

 

「東京・イズ・バーニング」はクラッシュの「ロンドン・イズ・バーニング」に“何が日本の天皇だ、何にもしねえでふざけんな”と歌われる歌です。僕は基本右の人間なので、この歌を聴いた時、天皇の仕事は祈ることだ、頭悪いなと思いました。

 

日本で戦争責任を唯一感じている人は昭和天皇、平成天皇しかいないと思っていますし、あのゴジラでさえ、戦争を忘れ、快楽を楽しむ日本人を懲らしめるために東京に上陸したのに、皇居の前では破壊をやめ、静かに海に戻っていくしかなかったのに。セックス・ピストルズは「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」で、天皇陛下には戸籍がないというロイヤル・ファミリーの問題点を“女王は人間じゃない”という一言でうまく表現していましたが、それに比べると程度の低い曲だと思いますが、いまだに収録されないって問題あると思います。

 

これが日本のロックなんですよ、日本のロックというか、日本のロックを取り巻く環境なんです。僕がロックを聴き始めて40年以上経ちますが、何も変わってないんだなという気がします。これが日本なんでしょうね。

 

『日本のロック名盤 ベスト100』みたいな、ロックを客観的に批評するというか、海外のロック・ベスト100みたいな知の蓄積のような批評が日本には全然ない、こういう本を書きたいということを書こうとしたら、こんな話になってしまいました。この連載も『日本のロック名盤 ベスト100』みたいに音楽ファンだったら絶対読んでいないといけない音楽書籍100冊を紹介したと思って書いているのですが、どうも話がとっちらかって、すいません。次回はちゃんと書きますので、よろしくお願いします。