【神鳥孝昭のディグごろディグられごろ】第14回

レコード屋や音楽活動を通じて広島や周りの面白い人を【ディグ(掘る)】って紹介する第14回は広島の呉市広に出来る新たなレコード屋「KRUSH GROOVE RECORDS」についてご紹介したいと思います。

人口僅か4万6千人の街、広(ひろ)をご存知でしょうか??

僕も数年前からご縁あり、広を中心に活動している音楽グループと交流を深めているのですが、この広という町がなかなか奇跡的な町でして、呉市内はおろか広島市内にも無い独自のムーブメントを巻き起こしつつあります。

そんな面白い街で新たにレコード屋を作った若者がYAN(ヤン)ことヒロヤンです。

しかも呉では約20年振りのアナログ・レコード・ショップ!!

僕とYANは実は付き合いが古く、広島でエレクトロ・ブームが吹き荒れた2006年に共通の知人を通じて知り合い、YANは当時データでDJをしていたのですが、とても筋が良いと感じた僕の「レコードでDJやったら良いよ!」という一言でレコード・カルチャーにどっぷりと浸かり、広島では初となるインディー・ロック専門のイベント「Atlas」を主宰。ここ10年位の流れで言うと「Atlas」で遊んでた子が今の広島シーンの中心に沢山居ます。そして一時期はYAN自らの志願で当店でアルバイトしてまして、言わば「同じ釜の飯を食った」仲間なんですね。アルバイト時代は、なかなか壮絶な感じでして、それもまた良き想い出だったりするのですが(笑)。

若き日の「Atlas」時代の貴重な1枚。

そんなYANですが6年前に地元、和歌山に戻った頃から僕に「将来レコード屋をやりたい」と言ってました。その頃ははっきりとしたビジョンもなく、いずれ・・・なんて感じだったのですが、その頃からレコードを掘ってサンプリングしてビートを作るという、所謂HIP HOPカルチャーに傾倒していったんですね。

和歌山時代のビート・メイク中。

そして1年半前に広島に再び帰ってきた頃は暫く疎遠だったのですが、その頃から広島市内のリサイクル・ショップを周りレコードを買い続けていたと聞きます。またリサイクル・ショップ=和モノという感じで和モノとブレイク・ビーツにどんどんハマって行きます。

そんなYANが広シーンの中心人物、Cafe ROXYオーナーのノブ君に出逢うまで時間は掛からず、意気投合した二人は一気にレコード屋構想を加速して行きます。

Cafe ROXYと広シーンについては、また別の機会でがっつり紹介させて頂きますが、Cafe ROXYの入っているビル自体がHIP HOPカルチャーに特化していて、1Fはバー、2FはCafe ROXY本体で、こちらはクラブ・イベントも頻繁に行うバーで、3Fは音楽スタジオやダンス・スクールが入る複合スペースでYANのレコード屋も3Fに出来ます。ビル一棟を仕切るのがノブ君です。

 

連日の徹夜作業でお疲れのYANとCafe ROXYオーナーのノブ君。

二人と付き合いのある僕が感じるのは、二人とも東京や広島市内の流行を追っかけるのでは無く、シーンを自分達で作ろうとする気概があるという事。

シーンが無いから作る。とてもシンプルで潔い動機です。

そんな2人が作るのが「KRUSH GROOVE RECORDS」です。

コンセプトは

◎HIP HOP(ネタ / ブレイク・ビーツ)

◎2枚買い

◎掘って楽しい(宝探し感)

◎自分だけの新たなブレイク探し=新たな価値観

といった感じで、B-BOYに特化しつつも地元の音楽好きな方々に受け入れられるような様々な仕掛けも用意しているみたいです。

 

僕が陣中見舞いに行った時は徹夜でペンキ塗ってました(笑)

そんな「同じ釜の飯を食った」先輩の僕から一言(笑)。

「YAN、音楽で飯を食っていくのは大変だぞ!」

「YAN、レコード屋は特に大変だぞ!」

「YAN、高い家賃の意味って分かるかい?」

「YAN、持ち前の明るい性格で頑張れ!」

一言どころか、四事になってしまいました(笑)。

でも、YANは一生懸命レコード買ってます。

僕が起業した29歳当時より遥かに凄いです(笑)。

そんなYANが作る「KRUSH GROOVE RECORDS」が11月1日(金)の12:00にオープンします。

オープン在庫2万枚!!暫くは不定休で12:00~20:00で営業するとの事なので、是非とも行ってみてください。

 

KRUSH GROOVE RECORDS!!

 

店内かなり良い感じ!

広島に音楽の新スポット誕生です!!

本当におめでとう~!!(頑張れ~)

STEREO RECORDS

神鳥孝昭