気分はどうだい? Vol.28 「昔々、英国にビートルズというロックバンドが・・」
- 2020.03.03
- COLUMN FROM VISITOR
このコラムにも頻繁にビートルズのことを書くことが多いのですが、今回はそのビートルズ世代=「団塊の世代」が前期高齢者(65~74歳)になり、彼らがコレクションして(いる)いたレコード(CD)の行方について考えてみたのです。

その団塊の世代とは何だったのかということをもう一度確認するために色々なものから要約すると以下のような説明になります。
『団塊の世代とは、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代を指す。第二次世界大戦直後の1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことであり、学生運動が最も盛んな時期に学生生活を送る。高度経済成長、バブル景気を経験。用語は堺屋太一の小説「団塊の世代 」に由来。文化的観点から見れば、欧米の情報を敏感に吸収、ファッション、ロックミュージックという概念が浸透し始めた世代で、そのスタイルは現代に至るまで続く若者文化の基盤と呼べるものであった。欧米と東洋の文化の双方を楽しもうとする多文化世代の先駆けであり戦後世界の中での日本の復興と成長と共に成長した世代。音楽では代にビートルズやその影響下で現れたグループ・サウンズの洗礼を受け、ビートルズ世代、またはGS世代とも呼ばれる。2020年での年齢は70~73歳となり、医療制度上は、前期高齢者(65~74歳)~後期高齢者(75歳以上)に該当する世代。この3年間の合計出生数は約806万人にのぼる(厚生労働省の統計)』
ほとんどの人は子供の頃から自分に興味のあるもの好きなものを収集した経験があるはずで、それが切手なのかトレーディング・カード、キャラクターグッズ、ミニ・カー、バービー人形、映画のパンフ、時計、ジッポのライター、ガラス瓶なのか分かりませんが、それが音楽で言えばレコード(CD)になるわけです。僕の友人で個人で約10万枚所蔵していて倉庫まで借りているやつもいます。自分自身においても整理(売ったりまた買ったり)はしているつもりなのに結構な枚数のレコードやCDがまた大量に家の中にあるし、昔持っていた有名メーカーのギター類は売ってしまったのにもかかわらず、家で弾くためのごく普通のギターがいまだ6本ほどあるという状態です。(蔵書の方が問題かも)そしていつも思うのですが長年に渡って収集されてきたそれらは各個人のオーバーにいえばその人の人生そのものかもわかりません。

1964年初頭ビートルズが世界的に大きな人気を得、社会的な現象にもなった時代、日本における彼らのセールスはそれまでの洋楽の範疇を超えるものでした。それが日本のレコード産業において洋楽ロックのレコード販売の大きな転機となり(洋楽ロックも売れる時代)その後60年代後半から現れた多くのロックアーティストの日本での販売(されないものは輸入盤で購入するしかなかった)が定着するようになった要因はやはりビートルズであったわけです。ビートルズが世界中でセールスした枚数は3億枚から5億枚ぐらいだと言われています。それに近いレコード(CD)がまだ現存しているということになるのです。(廃棄処理しない限り)現在、中古市場(店頭、オークションも含め)には初回のオリジナル盤(高額で取引が)からごく普通の日本盤までがものすごい数で出回るようになってきています。(同時代の他のアーティストのものも)それらは長年かかって収集されたコレクターのレコード群であったり、一般の購買者が手放したもので、全体から見れば膨大な数のレコード(CD))が世界中に溢れてきているのです。そしてどんどん時代が経つにつれ今後更に増えていくのではないかと思うのです。
音楽聴取もストリーミングの時代が定着し、欧米の著名ロック専門誌などもそのサイトの自動翻訳で簡単に読め、そしてフィジカルが欲しければ通販などで簡単に新譜レコード(CD)が手に入るようになりました。しかし日本においてはレコード会社が機能しなくなりなりその洋楽セクションが崩壊した今、殆どの洋楽ロック(名前自体が死語かも)はもう日本盤として発売されなくなっています。
つい最近1952年に創刊「世界の音楽情報誌」として60年近く刊行されていたラテン音楽(日本でも当時から大きな支持があったジャンル)の専門誌「ラティーナ」が残念なことに休刊しました。ますます洋楽に関する雑誌が数少なくなってきています。音楽、活字離れというのではなく購買していたその世代そのものが終焉し始めてるのだと思うのです。