カレー屋店主の辛い呟き Vol.28

「感謝!そしてStones Throwってゆー理想郷」

 

大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の”ふぁにあ”と申します。ミナサマは調子いかがですか?いいわけないか…。コロナウィルスなぁ..。まぁなんとも言えんけど..。お客さんもだいぶ減って、もはやギリギリの廃業危機。こんな時こそと、新メニューを作ってみたり、プチ改装してみたりと前向きに動いてみたりしてる訳ですが…。あー暇。でも、こんな状況でも一杯のお店はあるワケで、「なんで、花見したらあかんねん!!」とおっさんが吠えるくらい魅力のある桜のような存在にならなあかんなーと、缶ビール片手に桜見ながらそんなコトを改めて考える日々。まだ道半ばっス。

そして、そんな状況の中でお店に顔を出してくれるミナサマ、そして、店に来れない理由をわざわざ伝えに来てくれるミナサマ。ホント、感謝です。お客さんの顔見たらエモくなるよ最近。はー少し弱っとるな。

 

少し話は変わるけど、このあいだ、このなんかしらんモヤモヤを打破しようと、心のふるさとの西成に昼間から飲みに行ったら、いつもと変わらない日常がね。マスクとか誰もしちゃいねーし笑。危機に対して強いとゆーか、ある意味腹をくくれてる人が多いこの街。「ワシ、酒飲みすぎて体からアルコールが溢れてるから問題ないやろー」って言うおっさん達と飲みながら、その日、その場を楽しんで、ピンチは洒落でオチつけて、自然と助け合いのコミュニティもあってな。ゲットーならではとゆーか、あらためて、いい街やなーと思った次第。もちろんこのご時世、「リスクがー」とか、がーがー言われるんだろうけどな。最大限気を付けつつ、それぞれの生き方とゆーか、日常を楽しむことが大事かと。まぁウチの店のこの状況、テイクアウトに力入れるとか、気長にサヴァイヴしてこーと思います。

 

さてさて暗い話ばっかしててもしゃーないので音楽の話でもしましょか。今回は僕が絶対的に信用してるあるレーベルのお話を短め目で。

 

■「Stones Throw」とゆー理想郷

レーベルの創始者ピーナッツ・バター・ウルフ

HIPHOP好きなら避けては通れないそのレーベル「ストーンズ・スロウ(Stones Throw Records)」。

Peanut Butter Wolf(ピーナッツ・バター・ウルフ)が1996年に作ったこのレーベルは、24年経った2020年の今でもLAのアンダーグラウンドなシーンから、HIPHOPってゆー枠に囚われることなく上質でクールな音源をリリースし続けてるのよ。個人的にはレーベル買い出来る唯一(かも)のレーベルで好き機嫌いはあっても絶対的にオモロイ。所属してるアーティストは超有名どこだと、2006年にこの世を去ったレジェンドJ Dillaとか、ブルーノートから全音源を預けられ、ブルーノート・サウンドを再構築したP.B.W の盟友Madlibとか。最近だとAnderson.PaakとKnxwledgeのNxworriesやMndsgnとかなんかな。


→覆面てか、お面のカリスマMF DOOM と Madlib – Accordion


→NxWorries (Anderson.Paak & Knxwledge) “Suede”

レーベルとしての音楽性の幅も広くて、バンドもののリリースも沢山。例えばTHE STEPKIDSとか、最近やったらLos Retrosとか。他にもエレクトロや、もはやジャンルとかじゃないアーティストさんもいたりするし。


→The Stepkids – Suburban Dream (Live)


→Los Retros – Friends

ちなみにこのジャンルの幅って、このレーベルの大きな特徴でもあって、ジャンルの幅を超えて、そのアーティストさん達が交流してまたオモロイものを生み出してるねんな。これ理想やけどムズカシ。そして、このレーベルのHPにピーナッツ・バター・ウルフの言葉「As executive producer, I don’t put out what I think the people will like, I put out what I like.」がバーンと書いてあって、まぁなんしか「私はエグゼクティブプロデューサーとして、人々が好きだと思うものを出すんじゃなくて、オレが好きなものを出します。」と宣言してるわけ。そして、これも面白い話で、このレーベルってプロモーション費(PV作ったりとか、宣伝したりとかね)をアーティストが決めて、プロモーション費とか、経費を差っ引いた売り上げをみんなで分けるというアマチュアバンド方式?!を未だにとっているそう。うーむ。これぞインディーズ!そして、創立20数年経って、このレーベルは単なるレーベルじゃなくて、みんなの居場所、カルチャーやと言われる存在になった訳。そうそう、思い出したコトがあって。これまで、彼や彼のレーベルのアーティスト、スタッフと幸いに一緒に仕事をする機会が何回かあったけど、感じたのは、そのファミリー感。なんやったらイベント・ツアーの間自分までファミリーの一員になったよーな気がしたんよな。

 

まぁだらだら書いてきたけど、このレーベルの芯に流れる、「自分の好きなことやものを絶対的に信じて、そしてその信じたものを共有してみんなで面白がる。」って精神は僕にも大きな影響があって、こんなコロナな状況のよーなピンチの時によく思い出します。そしてどんな組織にも通じる話やと思うけど。

 

ちなみにこの「ストーンズ・スロウ」のお話はドキュメンタリー映画にもなっているので、興味を持たれた方は是非!僕も再度今晩見てみようと思います。そして、ミナサマいろいろ大変かと思いますが、日々を楽しんでいきましょね。 ではまた。


→Our Vinyl Weighs A Ton (Stones Throw Recordsの軌跡) オフィシャル・トレーラー