特殊音楽の世界35「紹介とお知らせ」

今回は最近気になったいくつかのリリース作品の紹介とライヴのお知らせをします。

まずご紹介したいのはリリースされたばかりの中尾勘二トリオのアナログ盤です。

NRQや故篠田昌已のコンポステラのメンバーでもあり多くのユニット、バンドで活動する中尾勘二さんのトリオ(宇波拓さんG. 古池寿浩さんTb.)の録音がアナログ盤で初リリースされました。一聴すると脱力感満載の演奏ですが民謡や労働歌、シャンソンが時折泡のように立ち上り妙な寂漠感と叙情とはっとするような輝きがあるアルバムです。

Bandcampはこちら。1分ほどですが視聴できます。

https://tonkatsurecords.bandcamp.com/album/kanji-nakao-trio-2

中尾勘二トリオのライヴ映像はこちら。

その中尾勘二さんとともにコンポステラのメンバーであって現在栗コーダー・カルテットや多くのバンドで活動している関島岳郎さん。しかし今回紹介したいのは関島さんの方じゃなくてこの動画で一緒にチューバを演奏している高岡大祐さんの方です。

高岡さんは自分で数多くの作品を自分で制作し、店舗などの通常の販売ルートを使わず自分の通販サイトのみで販売という方法を取っておられます。

https://note.com/blowbass/n/n4e259a4ee287?fbclid=IwAR0m5oOH7_jBgwY-TJYR71-d1pqx-chpHGF6dVIHt-KURry7Zw_m3Ijnd_Q

どれも限定枚数のものが多く、ダイレクトカッティングによるアナログ7インチなどは15枚限定でした。高岡さんの作品は、演奏はもちろんですがとにかく録音が素晴らしいんです。DSD録音の真価を本当にわかったと思えたのはそのアナログ盤でした。ダイレクトカッティングによるアナログ盤の1枚め(sold out)を運良く入手できました。 山の中でのチューバ・ソロをDSD録音したものですが、演奏はもちろん、「場」の臨場感、拡がり、反響音の豊かさ等々今まで全く聴いたことがない音で、それまで聴いていた録音物とは全く違い、大きなショックを受けました。こんな音は初体験でした。ネットやラジオで紹介したかったのですが、PCやラジオでその音の素晴らしさを再現できるわけもなく中途半端な印象を持たれてはいけないと思いやめました。もちろん演奏も晴らしいです。それがよくわかるのがこの動画です。最初は久下惠生さんのソロ(これも素晴らしいですが)ですが高岡さんの演奏は3分あたりで始まります。

その高岡さんと関島さんといっしょにやっている穂高亜希子さんの動画をここで紹介します。

穂高さんは私のレーベルから2枚のアルバムと1枚のアナログシングルをリリースしていますが、その穂高さんが最近すばらしいCD-Rを新宿の「裏窓」からリリースしました。メンバーは穂高さんと西村卓也さん(シェシズ、工藤冬里、篠田昌已等々)、高橋幾郎さん(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、不失者)というトリオ。

F.M.N.からリリースした穂高さんのアルバムはとても美しく深みのあるアルバムになりましたがこのCD-Rはそれとは全く違ったものでした。確固とした芯のあるヴォーカルに荒々しくも美しいアシッドなギターをこのCD-Rで聴いて、アルバムを作るときになぜこのような資質を彼女が持っていることを引き出せなかったのだろうと後悔しました。もちろん西村さんと高橋さんによるバックも素晴らしいです。この三人でないと出せない音です。

裏窓の通販サイトはこれです。

https://shinjukuramado.com/uramado_records.html

その3人の動画はこれ。

次はお知らせになります。

4月にコロナ禍のため中止したライヴを再企画しました。

大友良英(G)×中川裕貴(チェロ)×山内弘(G)            10/27(火)@UrBANGUILD  Open;19:00 start;19:30          予約¥2500 当日¥3000(ドリンク別)

予約はhttp://urbanguild.net/reservation/まで

京都にも優れたインプロヴァイザーは居ます。そういった音楽家とベテランインプロヴァイザーとの顔合わせの機会を作ることにより、京都でインプロや前衛と言われるような音楽をより充実させていこうという企画の第一弾です。

チェロの中川君はライヴハウスでの活動にとどまらず劇伴やローム・シアターでの単独公演企画等、独自に確固とした歩みを進めています。

もう終了していますがそのローム・シアターでの公演トレイラーがこれです。

ギターの山内君は折坂悠太(重奏)や川本真琴のバックを務めたりもしていますが、インプロヴァイザーとしてもとても興味深い活動をしています。

その演奏がこれです。

また、山内君は 堀川団地の一角の堀川会議室で連続イベントを企画してもいます。「場」を作ることに敏感な音楽家が面白くないはずがありません。3人はもちろん、お互いいっしょにやるのは初めて。しかも演奏も含め予備知識全くなしの、本当の初顔合わせです。ここから京都に新しく何かが生まれることを期待しています。

コロナの状況によっては早めに予約を打ち切ることも考えられますので興味のある方はお早めに予約お願いします。

F.M.N.石橋:レーベル、企画を行うF.M.N. Sound Factory主宰。個人として78年頃より企画を始める。82〜88年まで京大西部講堂に居住。KBS京都の「大友良英jamjamラジオ」に特殊音楽紹介家として準レギュラーで出演中。ラジオ同様ここでもちょっと変わった面白い音楽を紹介していきます。