シロート・クロート・グレーゾーン Vol.6
- 2021.01.01
- COLUMN FROM VISITOR
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さてと6回目になりますがシロート・クロート・グレーゾーン書きます。江頭です。
先月の原稿で書きましたが、昨年末にZepp Nambaにてイベントを決行しまして、なんとか無事終了しました。12月に入ってから急激にPCR検査の陽性者の数が跳ね上がり、世の雰囲気も変わり始め一時はどうなるかと気を揉みましたが、乗り切りました。コロナ超めんどくせぇ…
ということで、仕事を納めて年の瀬は京都の実家に帰りまして、街並みをチェックしたりしていましたが、四条通や河原町通にウジャウジャいたインバウンドさん達が全然いない超静かな京都でした。まぁそもそも昔の京都はこんな感じで、静かな街だったよな?
昨年は外国人観光客大フィーバーの度が過ぎていたようでして、京都では少し問題になっていました。オーバーツーリズムというやつで、これ以上は民泊イラン!とか、なんとか、そういう問題提起を見聞きしました。でもインバウンド見込みで商売してた人々は悔しい思いをされていることでしょうな。国内のGO TO トラベルも右往左往して変な感じになっちゃいましたね。まぁ暖かくなったら、また状況も変わるのではないでしょうか。桜の咲くころまで我慢ですかね?
そして、実家に帰っていたところですね、私的には大変貴重な、いや貴重でもないが、懐かしくて涙がちょちょぎれるヤツを発見したのであります。こちら葛飾区亀有公園前派出所の1~40巻あたりの漫画をストックしている、実家の本棚の端に数枚のCDを発見したのですが、その中にこいつがおったんですわぁ。

なっつかしぃのう!こんなところにおったんかワレ!ジャッジメントナイトです!世代によってはまったく知らないでしょうけど、このCDはサントラで1993年にリリースされた音源なのですが、CDの内容がすごくて当時衝撃を受けたわけです。映画そのものは、ただただギャングから逃げるだけの内容で別にわざわざ見なくてもよい感じの映画で個人的にはどうでもエエ映画でしたがね…
そう、これも懐かしい話で恐縮ですが、昔ヴァージン・メガストアという外資系の大型レコード店がありましたよね?30歳ぐらい以上の人はご存じですよね?1993年当時の京都にも河原町通にあるBALビルの中にヴァージンがありまして、そこの試聴機でバイヤーさんがコメントでこのCDを激烈におすすめしておりましてですね「とりあえず聴けこの野郎!」みたいな感じのコメントやったと思います。

試聴機のヘッドホンを耳にあて聴いたところ、凄いよかったんですよねコレが。今でこそ、ジャンル分けして音楽を聴くことはなくなったのですが、当時はお気に入りのスラッシュメタルやハードコアバンドやヒップホップなど、他にグランジとかもありましたかねぇ。少しジャンルを小分けして聴いていたように思います。CDとかレコードの棚を分けて整理するような感じでしょうか?そんな音楽の聴き方です。
BIOHAZARDとかSLAYERとかSONIC YOUTHとか PEARL JAMとかのバンド達とCYPRESS HILLやDE LA SOULなどヒップホップのアーティストがコラボして1曲やっとるわけですよね。こんなん今まで見たことないCDや!いうて即買いしましたね。CDジャケットの写真だとわかりにくいので、収録曲を書いときます。今見ても興味深いですが、当時は非常に興味深いメンツでありました。ジャケはそんなかっこよくないけど。
ちなみに河原町通のBALビル自体はいまでもありますが、ヴァージン・メガストア京都店は2002年に閉店、全国展開していたヴァージン・メガストアも2009年には全店が閉店しました。京都ではタワレコよりヴァージンの方が熱くて好きやった。大阪は丸ビルのタワレコが一番好きやった。
以下、収録曲です。
1 HELMET & HOUSE OF PAIN / Just Another Victim
2 TEENAGE FANCLUB & DE LA SOUL / Fallin’
3 LIVING COLOUR & Run-D.M.C. / Me, Myself & My Microphone
4 BIOHAZARD & ONYX / Judgement Night
5 SLAYER & ICE-T / Disorder
6 FAITH NO MORE & BOO-YAA T.R.I.B.E. / Another Body Murdered
7 SONIC YOUTH & CYPRESS HILL / I Love You Mary Jane
8 MUDHONEY & SIR MIX-A-LOT / Freak Momma
9 DINOSAUR JR & DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN / Missing Link
10 THERAPY & FATAL / Come And Die
11 PEARL JAM & CYPRESS HILL / Real Thing
ヴァージン・メガストアの試聴機で1曲目にこいつが飛び出したんですよね。スネアの抜け感にね、夢中になりましたよね。コン!いうてヘッドホンに響いたわけですよ。HOUSE OF PAINは特大ヒットチューンJUMP AROUNDですから当然知っておりましたが、HELMETはこのCDで初めて知りました。めちゃかっこよかったので、その後HELMETのアルバムも何枚も買いました。
4曲目に収録のタイトルチューン。これもかっこよかったな。BIOHAZARDは何をきっかけにフェイバリットなバンドになったのか忘れましたが、来日公演のチケットを買うぐらい好きなバンドで、ライブにも行きましたねぇ。今は無き大阪難波W’OHOLですかね。これも懐かしい話やなオイ!いまでもあそこの前を通ると当時を思い出します。現在は専門学校になってますね。エモい話やで…。で、この曲のMVは当時の深夜TVでMVばっかりオンエアしてる洋楽の音楽番組かなんかでも見たことありますね。ONYXはゴリッゴリッのハーコーな叫ぶヒップホップクルーです。すべてが懐かしい…。だれかこの懐かしさを共有できる人おらんでしょうか?
今あらためてアルバムを聴くと収録曲の中ではこいつが一番秀逸かもしれません。リリック直球。サウンド最高。で、キム・ゴードンとB-REALですね。煙い感じで、よく混ざりあってる気がします。
おそらくはRun-D.M.C.がAEROSMITHのWalk This Wayをカバーしたあたりから、こういうロックバンド的なものとラッパーがコラボレーションするような流れがあるのでしょうが、私的にはスラッシュメタルが好きな10代を過ごした影響でAEROSMITHよりも『ANTHRAX & PUBLIC ENEMY / Bring The Noise』とかが“しっくり”きてました。
そんなところに、突然このような音源が登場したわけです。このJUDGMENT NIGHTは丸ごと全曲がコラボレーション企画のアルバムになっているところが衝撃的で斬新だったのです。しかもマイナーな映画のサントラという。ほんとグーグルどころかインターネットもない時代の中でCD屋で出会う情報は実に貴重なのでした。
このサントラ以降は雨後のタケノコみたいに、Limp Bizkitの様なバンドとかが大量に発生していった記憶なのですが、好き嫌いではなくて、なぜかそういったバンドにはあまり興味を持つことがなかったです。いつ頃か忘れましたがJAY-Z & LINKIN PARKとかの企画アルバムとかもありましたかね?このあたりのコラボ企画もなぜか興味を持てなかったです。JAY-Zのアルバム自体はめちゃくちゃ聴いてましたけど。
あまりコラボに興味がなくなったみたいに書きましたが、そういえば2002年の『SWIZZ BEATZ, METALLICA & JA RULE / We Did It Again』これはビビった。こんなコラボするんや…こんなんアリなんや…ってね、思いましたよね?スウィズビーツむちゃくちゃやんか…メタリカやぞ…ってね。
ごく最近でも斬新なコラボレーション的な音源が沢山あると思うのですが、私の勉強不足もありまして、あまり現状がわからないのであります。これを機会に深堀りして調べてみようと思います。あえてTOWER RECORDSとかに出向きまして試聴機をチェックして、バイヤーさんのレビューも細かくチェックしてCD音源をディグってみましょうかね。YouTubeやSpotifyでは得ることのできない、なんかフレッシュな発見があるかもしれませんね。グーグルの勧めに乗ってばかりでは面白くない!!
ということで、最後にHELMETのアルバムMEANTIMEから一曲。ギターリフはザクザク、そしてヘビー、かつタイト。で、めちゃくちゃかっこいいのだ。
今月も読んでいただき、ありがとうございました。
江頭 善史 (カエルスタジオミュージック)