VINYL日和見日記〜其の8

巷ではClubhouseなる招待制の音声SNSが流行っているようでして、ある一つのテーマを元にroomとよばれる(2チャンネルのスレッドのようなもの)を立ち上げて、友達同士で会話したり、見知らぬ人でもそのテーマに興味のある人なら挙手(何という機能かわかりませんが)をして飛入り参加できるというものです。非接触コミュニケーションというのが時流に乗っか感じなのでしょうが、招待制なのでmixiのように、ちょっとした優越感も感じられるのが芸能人とかクリエイターの皆さんに受けているのかもしれませんね。

聞いている感じではラジオのようなものですが、roomに誰が入って聞いているかというのが解るようにアイコンが表示されるので、「興味あり」なテーマでもあんまり参加人数が少ないroomに参加するのは中々勇気のいる行為だなと思ったりするわけです。「田原総一朗」的なMCがトークを回していて「どう思っているの?」とか言われたら・・・?チキンな自分は色々想像してしまうのですが、先日流行りに乗ってroom開設してClubhouseデビューを果たしました。マジックアワーというDJイベントを一緒にやっている「オガワジュンゾウ」さんと「一回やってみよか〜」みたいな軽いノリでスタートしたのですが、一応テーマがございまして「①音楽への目覚め」「②好きだったアーティスト」「③初めてのDJ、またはプレイでの思い出」「④最近気になっている曲」という感じで、それぞれ曲にまつわる思い出を語って曲をかけるという構成。ただ我々二人だと話が広がらないということで、元Urban Dance、House Foundation、Soul Bossa Trioの松本浩一さんも交えての3人でのトークでした。僕の中の松本さんの認識は90年から2000年ぐらいまでに活動されていたHouse Foundation、Soul Bossa Trioというユニットでの記憶が大きかったのですが、松本さんがその昔、京都の詩の小路ビルのULTRA MARTに居られたという話をお聞きし、そのお店によく買い物やフライヤーを置かせてもらったりしていたので、おそらく、その時に何度かお話ししたんじゃないかな? かなりピンと来たというか色々フラッシュバックしました。当時、京都のCLUBで頻繁に遊んでいた自分にとって、ULTRA MARTは結構特別な存在で、CLUB的な音楽カルチャーや、ストリートみたいなものを意識した品揃えで、ただの衣料雑貨店という雰囲気ではなかったような気がします。というかお店があった詩の小路ビル全体がそんな感じでした。松本さんのNEW WAVEから、Acid Houseに傾倒していったという話。セカンド・サマー・オブ・ラブの時期でしょうね〜。もう少し掘り下げて聞きたいものです。

ちなみに松本さんは最近「千のアカシ」とうユニットでの活動も行われています。

http://www.koichimatsumoto.com/milleluci.html

そんなわけで、色々思い返してみるいい機会だったので、今回の選盤は「私のあの頃」というテーマで80年後半から90年初め頃に聞いていた曲を7インチサイズでご紹介します。

M/A/R/R/S | PUMPP UP THE VOLUME

1988年頃そのころは本格的なCLUBという感じのお店は京都にはまだそんなになかったと思うんですが、(BIGBANGはイベントやってたかな?)河原町三条付近にあった「Maharaja CLUB」の朝5時?ぐらいからスタートするマニアックなパーティーでは、いわゆるDISCOな選曲ではない曲が色々PLAYされておりまして、この曲はかなりの頻度でかかっていたと思います。その頃はHOUSE、HIPHOP、Break Beatsというジャンルもあまりわからず聞いていましたが、自分の中の最初のHOUSE体験といえばこの曲でしょうか。中毒性のあるベースラインだと今でも思います。

Inner City / Big Fun

リフレインしてくるイントロのシンセを聞くだけでテンションが上がります。デトロイト・テクノのオリジネーターとしてデリック・メイ、ホアン・アトキンスと並ぶ、アーティスト、ケヴィン・サンダーソンとヴォーカル、パリス・グレイによるユニット「Inner City」。商業的にも成功を収めたデトロイト・テクノアンセムとしても語られる曲ですが、「歌もの」というのも関係あったんでしょうかね。その当時CLUB MUSIC雑誌「remix」「BUMP」を愛読書としていたのですが、広告やインタビュー記事よく掲載されてました。まさに売れっ子の証拠ですね。

Soul II Soul / Keep on movin

30年以上前、FM802の夜中の番組で鈴木しょう治さんがDJを務めていたR&Bチャートを紹介する番組でスポットライト的なコーナーで聞いたのが初めてだと思うのですが、その頃のR&Bといえば「NEW JACK SWING」が主流でしたがラジオで流れたグラウンド・ビートを聞いて「オシャレな音楽やな〜」と思っておりました。まだMajor Forceを知る前でしたら当然、屋敷豪太さんも知らず、SOUL II SOULのプログラミングを担当していたと知ったのも、随分と後の話です。そういえば屋敷豪太さんも京都出身ですね。

The Brand New Heavies / NEVER STOP

グラウンドビートの流行と時を同じくして、UKのACID JAZZなるムーヴメントもありましたが、代表的なところだと、Jamiroquai、Incognito、The Brand New Heavies、YOUNG DISCIPLES、Gallianoといったグループでしょうか。そんな中Brand New Heaviesは心斎橋CLUB QUATTROに見に行ったアーティストでして、このNEVER STOPはホントによく聞いた曲です。イントロのため感のあるドラムにクラビネットが入ってくる瞬間がめちゃ気持ちいです。といいますかスティービーワンダーのSuperstitionオマージュということですね。

最後にデトロイト・テクノの話が出たので最近お気に入りのYOUTUBEをご紹介。ただただベッドの上で男女がBACK TO BACKで楽しそうにHouseやDetroit Technoのレコードをつなぐ動画ですが、楽しげでかなり好感持てます。個人的には後半Equinoxの入り方が気持ち良し。ゆるく楽しめるBGMです。ちなみにこの女性DJ、Sol Ortegaちゃんのインスタもオシャレでカッコいいです!