シロート・クロート・グレーゾーン Vol.11

こんにちは!11回目のシロート・クロート・グレーゾーンを書きます。江頭です。早いものでここにコラムを書き始めてから、もうすぐ1年です。毎月何を書くか2日間ぐらい考えてから、そして一気に書きます。およそ3500文字ぐらいでして、最初の頃は時間がかかりましたけど、今は慣れまして楽しく書いております。

だいたい原稿の提出日の数日前には書き上げているのですが、そこから納品までの期間に何回か読み返して漢字を間違えてないか見直したり、言い回しが変じゃないか調べてみたり。たぶんCD制作とかでジャケットや歌詞の文字確認などをしていた時のクセなのか、何回も何回も見直してしまうんですね、漢字の間違いが気になるのです。とても。

まぁそんなこんなで、日本国内では緊急事態宣言が発出しまくってますね。エリアもますます拡大中で、広島、岡山とか沖縄とかにも適用されました。大阪の場合、まん延防止等からの緊急事態宣言発出ということで、4月25日から始まり、外出自粛のGWを経てからの延長戦で、一応5月末までというわけです。大型商業施設や飲食店やイベントなどにそれぞれ自粛要請がでているわけですね。大変です。

今回の一番の目玉はなんといっても「お酒ダメェ!」でしょうね。これは効きますねぇ。ガツンと効きました。お店の人も大変なのでしょうけど、日々それだけが唯一の楽しみとなっている酒飲みの皆さんにおかれましても、大変寂しい思いをされているのではないでしょうか?禁酒令ですよねこれ。このコラムが掲載される頃には解除されていますかね?

かく言う私もどちらかと言うと好きな方でして、焼肉とビール、焼鳥とハイボール、お刺身をつついて日本酒とかね。まぁいろいろありますけど残念です。私は一人で店にいきますけどね、お一人様でもダメっすかね?コロナ禍においてまさか禁酒令がくるとは思いませんでした。夕方の街が残念な感じになっていますが、お酒飲まない人にとっては「マジでどうでもエエわー」って話なんでしょうけどね。

ということで、なぜかここ何回かはダンスホールレゲエについて書いていますが今回もそんな感じです。仕事で接していたレゲエというものをあらためて客観的にみると不思議だなぁと思うことが多々あるので、まとめています。今回もそんな流れで書いてみましょう。

最近、自宅の自室にTVを設置しまして、リビングで子供と一緒では決して見ないような映画とかドキュメンタリー作品などを怒涛の勢いでサブスクで鑑賞しています。前からお気に入りリストに入れていた未視聴作品とか、人から面白かったと聞いていた過激な作品などを楽しんでおります。

今更感がありますがNETFLIXの『Grass Is Greener』がすごく面白かってですね、作品の内容や評価などはどこかのレビューに任せるとして、簡単に説明するとマリファナにおける近代から現代おいての闘争というか合法化され市民権を得るまでの戦いというか、SNOOP DOGGやCYPRESS HILLのB-REALとかがちょくちょくコメントしたりしていてJAZZやHIP HOPなどアメリカ黒人音楽寄りなドキュメンタリー作品でして。その中でも興味深かったのが、やはりREGGAEに関してはちょっと別枠な扱いになっていて、それが面白かったのです。

前フリが長くなりましたが、今回の“レゲエ不思議発見”は、GANJA TUNE(ガンジャチューン)です。これは要するに大麻に関する歌。マリファナ賛歌ですね。マリファナのことをガンジャと言います。レゲエはこのトピックスに関しての歌が群を抜いて多く、他ジャンルを軽々と凌駕します。はい。ある意味ではレゲエのパブリックイメージとも言えます。

誤解のないように記しておきますが、マリファナは日本の国内法では禁止されています。法を犯すことを推奨しているわけではありませんし、マリファナを推奨しているわけでもありません。あくまで音楽作品の話を書いていこうとしているわけでして、あしからず。

まずはPETER TOSH / Legalize Itですね。めちゃくちゃ有名なガンジャチューンではないでしょうか?異論はいろいろとあるとは思いますけど、世界的に有名だと思います。合法化せぇよ!解禁やで!ガンジャやでしかし!医者も看護婦も裁判官も弁護士も吸っとるでぇ!風邪にも喘息にも結核にも認知症にも効くんやでぇ!と高らかに歌うわけですね。同タイトルのアルバムは個人的には名盤だと思っています。大麻畑でヤンキー座りしている有名なジャケットですね。

PETER TOSH / Legalize It

もちろんBOB MARLEYにもありますマリファナ賛歌。Kaya(カヤ)というのは大麻のことで、当時のスラングですね。これも同タイトルのアルバムのジャケ裏にはドドーンとマリファナのイラストが描かれています。カヤの語源はなんなんすかね?誰か教えてください。

BOB MARLEY & THE WAILERS / Kaya

はっきり言ってガンジャチューンはめちゃくちゃ存在します。レコードなどで頻繁にプレイされる有名な曲とか、80年代あたりの曲をリンクしてみます。JOHN HOLT / Police In Helicopterで歌っていますが、”Police in helicopter, a search fi marijuana”って警察がマリファナを検挙するためにヘリコプターで捜索するんですね。サビの「ヘリコプタァー」のところでビヨンビヨンとディレイで音を飛ばしてますけど、アレっすかねヘリコプターのプロペラがバラバラバラって回転してる感じを表現してんすかねコレ?たぶんそうですよね?

MIGHTY DIAMONDS / Pass The Kutchie

JOHN HOLT / Police In Helicopter

SCREWDRIVER / Ganja Killer

ダンスホールレゲエ隆盛期の90年代でも、もちろん山のようにガンジャチューンがリリースされます。リリースされない理由はありません。だってレゲエですもの。個人的にはJIGSY KING / Gi Me Di Weedがナイスです。声は野太いし、ゴホゴホしてます。リディムはFREEDOM BLUESですね。

JIGSY KING / Gi Me Di Weed

REGGIE STEPPER / Under Mi Sin Ting

BUJU BANTON / Sensimellia Persecution

2000年代でもおかまいなしでガンジャチューンはリリースされます。ガンジャチューンは永遠ですね。もちろん理由はレゲエだからです。当たり前のことですね。ジャニーズはガンジャチューンを歌いませんがレゲエの人達は歌います。WARD21 / Ganja Smokeこんなんイケてるでしょ。どうですか?クソかっこいいです。

WARD21 / Ganja Smoke

SIZZLA / Got It Right Here

COLLIE BUDDZ / Come Around

というわけで、2015年にジャマイカでも世界的な潮流にのり、大麻の規制が緩和されて、医療や信仰上の大麻の使用が許可されました。それ以外の目的でも逮捕されることはなく罰金刑となり軽犯罪化されました。以降はガンジャチューンのニュアンスが少し変わっていった印象があります。少なくともヘリコプターで検挙されるような歌は無くなったかもしれませんね。

POPCAAN / Weed is My Best Friend

SKILLIBENG / 50 BAG

ANTHONY B / Ganja Fi Bun

まぁ肯定も否定もしませんけど、日本国内でのいろいろは難しいでしょうね。それよりも、はやく“焼鳥とハイボール”を解禁してもらえませんかね?限界なんですけど。

今月も読んでいただきありがとうございました。Legalize It !

江頭 善史