VINYL日和見日記〜其の30

年末年始と著名人の訃報が相次いでおりますが、自分自身もそれなりの年齢なので、そらそうだなとおもいつつも、青春時代の憧れの存在や、馴染のある方が亡くなってしまうのは、なんとも悲しいもんです。遡ること2022年12月師走、Terry Hall、の訃報が伝えられました。享年63歳。。。まだまだミュージシャンとしても円熟味を増していくような年齢なのに、ホント早すぎです。1990年代の後半コンサートプロモーターのしごとをしていた私は、ソロアルバム「Laugh」のリリースで来日していたTelly Hallのキャンペーンに帯同しておりまして、東京、大阪の3日間ほど一緒にすごしておりました。その際に、本人とクルーみんなでご飯を食べにいった流れで、何故かカラオケBoxに行く流れになり、私の歌うStylisticsのYou Make Me Feel Brand Newを聞いて大ウケしておられました。(拍手笑いが起きたのはファルセットに変わる部分、ビジーフォーだとグッチ裕三のパート)Terry Hall 本人は至って物静かで、何も歌ってなかったんじゃないかな?。今となっては貴重な思い出ですね。

この「Laugh」は、ネオアコな雰囲気の洗練されたイメージのアルバム。Todd Rundgrenの「I SAW THE LIGHT」をカバーしているのですがどハマりで、自分のオリジナルのようです。

<SUMMER TIME / FUN BOY THREE>

スペシャルズの後にテリー・ホール、ネヴィル・ステイプル、リンヴァル・ゴールディングの3人で結成したFUN BOY THREEのちょっとラテンな雰囲気の「SUMMER TIME」。中性的に聞こえるテリー・ホールのVoも曲の雰囲気に絶妙にマッチします。80’sニューウェイヴの、この頃はSAKという縛りから解放されて自由な音作りしている感じがいいですね。

そして1月には高橋幸宏さんの訃報。これはホントにショックです。1970年代生まれの自分にとっては、やはりYMOはちょっと特別な存在でした。その当時は、テレビでもラジオでも頻繁にかかっている状態で、歌番組はもちろんですがTHE MANZAIで漫才を披露したりと、お茶の間の誰もが知っているタレント的な存在でしたし、子供の自分には音楽的な背景など知るよしもなかったわけですが、年を重ねて音楽雑誌やカルチャー誌を読んで色々「わけわかりながら」体験していくと更に深みにハマるという感じでしょうか。音楽、アート、ファッションがゴチャゴチャって混ざりあって、サブカルから大衆芸能にいたるまで魅了するパワーは、ホントに偉大だなったなぁとつくづく思います。もう25年ぐらい前、コンサートイベンター時代に、ファッションデザイナーYOJI YAMAMOTO、兄の高橋信之とAGENT CON-SIPIOというレーベルを幸宏さんがやられていた時期に、レーベルオーディションで関西のアーティスト発掘していたのですが、月島のCON-SIPIOスタジオで何度かお会いしたことが有りました。小学生の時に友達に編集してもらったYMOのカセットを擦り切れるほど聞いていた自分が、幸宏さんにお会いすることが出来るなんで夢にも思いませんでしたが、末端スタッフだった自分にも気さくで、丁寧な対応して頂いた事は今でも覚えています。まだまだ現役でいていただきたかったですがホントに残念です。ご冥福をお祈りします。

高橋幸宏 / 前兆

1983年リリースのシングル。幸宏さんの声ってあまり温度を感じない無機なイメージなので、かなり甘めのLOVE SONGを歌ってもCOOLでいられるといいますか、照れくさくならなくていいですね。オリエンタルなニューロマ、幸宏さん流の甘茶ラブソングです。

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