VINYL日和見日記〜其の31

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先月に引き続き訃報が続いておりますね。。。シーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠氏、アートディレクターの信藤三雄氏。1970年代生まれで、渋谷系ど真ん中の年代なので、コンテムポラリー・プロダクションの手掛けた洗練されたアートワークに心ときめいたものです。代表的な作品だとピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギター、オリジナル・ラブといったトコロでしょうか。ある意味、渋谷系と言われるムーヴメント全般の指針となるような、あの頃の時代を象徴するデザインだったのではないでしょうか。ホント残念ですね。お悔やみ申し上げます。

話題は変わりまして、先日WOWOWで2023年グラミー賞の授賞式を見ていると、HIP HOP誕生50年の節目を記念したHIP HOPトリビュートパフォーマンスというのが行われておりました。「何から数えて50年やねん?」ということですが、これは1973年にDJ Kool Hercがブロンクスで始めたブロックパーティーが起源とされているようです。で、パフォーマンスはといいますと、過去のHIP HOPの偉大な楽曲やアーティストを讃えるべく、HIP HOP創成期から、現代までのアーティストが次々に出演し、その時代を飾った楽曲を披露するというHIP HOP好きにはたまらない内容。パフォーマンスに参加したアーティストも、Grandmaster Flash、Furious Five、Run-DMC(Jayはなくなったので2名(T_T))、Ll Cool J、De La Soul、Salt-N-Pepa、Rakim、Public Enemy(チャックDとフレイヴァーフレイヴがまだまだ顕在で良かった!)、Outkast、Big Boi、Missy Elliott、Busta Rhymes、Wu-Tang Clan、Method Manとかなり豪華。(ここまでは創成期から2000年代ぐらいまで。自分も名前がわかるのはこのへん辺りまでが限界でした。)

昨年のNBA SUPER BOWLのハーフタイムショーで、Dr Dre一派のパフォーマンスを見た辺りから、HIP HOPのMYブームが起こっておりまして、今回のグラミー賞のパフォーマンスを見て、更に針が上がっている今日このごろ。mixcloudで懐かしのG FUNK MIXをききつつ、NETFLIXのレジェンドアーティストや関係者へのインタビューをもとに構成されたドキュメンタリー「HIP HOP EVOLUTION」と、HIP HOP史上、一番の黒歴史といっても過言ではない、2PACとNotorious B.I.Gという2人のカリスマラッパーが命を落とすことになってしまった、HIP HOP東西抗争事件を描いたドラマ「Unsolved 未解ファイルを開いて」を視聴する日々。ちなみにこのドラマの2PACとNotorious B.I.G役の俳優さんマジでソックリで感心します。またミステリー作品としても完成度が高く、没入感もあってイッキに見れてしまうので、是非チェックして欲しいドラマです。

「HIP HOP EVOLUTION」Trailer

「Unsolved 未解ファイルを開いて」Trailer

WALK THIS WAY / RUN-D.M.C

RAPアーティストは、RUN-D.M.C以前と以降で分けられるようで、Vo抜きのフレーズにRAPをのせていた創世記の頃から、リズムマシンだけでRAPをするRUN-D.M.Cは、かなり革新的な手法だったとか。それは音楽そのもの以外にも、「ゴテゴテ」の衣装(リックジェームス的な)ではなく、addidas、KANGOLという等身大で飾らない衣装や佇まいも、同世代に支持されたんでしょうね。しかしラッセル・シモンズと、リック・ルービンのいた頃のDef Jamは最強ですね。Run DMCを筆頭に、Beastie Boys、LL COOL J、Public Enemyとアーティストも採用です。そんなお二人が手掛けた、HIP HOP黎明期最大にして最高のヒット曲。

RAPPERS DELIGHT / SUGARHILL GANG

「HIP HOP EVOLUTION」を見て初めて知ったのは「The Sugarhill Gang、めっちゃディスられてますやん」ってこと。理由は「Rapper’s Delight」の歌詞が、Grandmaster CazやThe Cold Crush Brothersなどの他のHIP HOPアーティストのライブパフォーマンスから多くの部分を借用しているということらしいです。1979年にリリースした「Rapper’s Delight」のヒットにより、SUGARHILL GANGは商業的に成功させた最初のグループの1つとして知られてますが、そこに至る過程はリスペクト出来るようなものではないですね。とはいえ、HIP HOP文化の初期の時代において、音楽や文化の発展に重要な役割を果たしたことは間違いないです。ちなみにプロデューサーはPillow Talkのヒットで知られるシルヴィア。

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