カレー屋店主の辛い呟き Vol.63 「京都で過ごす1日」
- 2023.03.07
- OSAKA

大学時代から、大阪ミナミの夜に育てられたワタクシ。そして、月に何度か遠征して遊んでたのが京都。大阪ミナミの、ベタで濃厚な夜で育った人間からすると、京都はずっーと場違いな所でして。
でも、個人的には、すごく憧れもあるんスね。ミナミみたいにギラついて無くて、なんか、シュッとしてるし。メトロのオールのイベントに遊びに行って、鴨川でチルしてたりすると、対岸の鴨川デルタで大学生が騒いでる姿を眺めながら、単純に、えーなと思ってました。学生の街って、若者が、若者のまま遊んでても、許してくれるんですな。逆に、大阪ミナミの夜は、若者を早く大人にしていくんス。そんな京都の夜で出会う女の子は、どこか賢そーで、アカデミックで。個人的には、大好きなんスけど、彼女達はベタにグイグイくる、大阪の男は大嫌い。ほんと、上手く行った試しがないです。笑
なんか、ダラダラ書き始めてしまいました。皆様こんにちは! 大阪・上本町のカレー屋兼飲み屋店主の「ふぁーにあ」と申します。今月もこのコラムを読んでいただき感謝です。今回は、先日京都で一日遊んだお話を。出会った音楽やったり、お店やったりを、紹介できりゃいいなと。っても、ほんとに、特別なエピソードもあんまないねんけど…。
■「サイトウユウスケ氏個展とレコード屋巡り」

今回、京都に遊びに行った理由の1つが、イラストレーターの「サイトウユウスケ」氏の個展。サイトウユウスケ氏(https://saitoh-yusuke.com/news) のことを知ったのは、ミュージックマガジンの表紙を、彼が描いてた頃。昔勤めてた某P社の雑誌にも、毎週いろんなアーティストさんのイラストが描かれてたせいか、ついつい似顔絵系の表紙の雑誌は、気になって見ちゃうんスけど。彼が描いてた2008年から2014年のミュージックマガジンは本当に好きで、表紙のために買った号もあるくらい。彼の作品は、緻密やけど、躍動感もあって。COOLやけど、ちゃんと、人や風景の温度が感じられる。なんか、王道感もあるねんな。今回の個展では、デジタルで描かれてた「Chack and the Girl」のシリーズが、肉筆で描かれてて、より躍動感あふれる仕上がりになってました。購入した画集も、良かったなぁ。
んで、今回、休日の朝から京都に行ったので、レコード屋が乱立してる、京都の三条あたりのレコード屋を、久しぶりに周り倒してみました。「トラドラレコード」→「pocoapoco」→「パララックス」→「PROTOTYPE」→「ART ROCK 」→「WORKSHOP」→「Vinyl7」→「JET SET」→「ブーツィーズ」→「ヒト族」→「Jazzy Sport Kyoto」。他にもあったかな? 途中、タバコ休憩の純喫茶や、立ち飲み屋を挟みながら、気がつけば、結構な数回ってました。
普段あまり行かないオールジャン系のレコード屋に、値段付け間違えてる?と思うよーなHIPHOPの定番があったり、10年以上ぶりに行った「パララックス」がまだあったコトに感動したり、FUNK〜REGGAEの7inchが強い(と、個人的には思う)「Vinyl7」で、1万越えの7inchを買うかどーか熟考したり。一軒一軒で出会いがあり、楽しいモンです。
中古レコードって出会いのモノなんで、ビビビと来たら即決がセオリーなんスけど、懐具合を考えるとナカナカ。無限にお金あったら、レコード買いまくれるけど、それやったらオモロない。限られた中で、なんとか自分に言い訳しながら買うから、大事に聴くんスよね。これギャンブルにも、恋愛にも通じるよなぁーと、ちょうど上に貼り付けたよーなビート系のLIVEをやってた「Jazzy Sport Kyoto」で、若者相手に、ビール片手にほろ酔いで語るオッサンの夕べ。楽しかったけど、迷惑やったやろなきっと。笑
その「Jazzy Sport Kyoto」はレコード屋というか、レーベルのPOPUP的位置付けなんスかね。いいLIVEもあって、美味しいお酒も、軽いつまみもあって、ホントに素敵なお店。結局、その日出会った皆さんに飲みに連れてってもらって、この日の京都の夜は終了。まぁまぁ沈没してました…。
なんやかんやで、結構な数のレコードを買い、また散財をした訳ですが。せっかくなんで、当日買ったレコードの中から、何枚か紹介しときましょか。
まずは、このEVISBEATSの大メジャー曲「夜風に吹かれて」の7inch。何年か前のレコードDAYの時に発売されたモノやと思うけど、当時迷ってる間に、瞬殺で無くなった一枚。んで、多分今となっては入手困難で、値段が上がってたよーな気が。当時よりも値段が上がっててもいいハズやのに、オールジャンル系のレコード屋さんで、定価より安くなってて即購入。意外とこうゆうことってあるのが、宝探しの所以。家帰って聴いたけど、やっぱ良いわ。まぁ、7inchあんまりかける機会もないけどさ。
スペイン・バルセロナのスカジャズバンドThe Oldiansの7枚目のLP。実は、この日ずっと僕のイヤホンからは、このバンドの音が流れてました。上に貼り付けたのは、そのアルバムの中の一曲。ジャズとスカ~ロックステディとソウル・ミュージックが、絶妙な塩梅でブレンドされてるこのバンド、ホンマ好き。このバンドのアナログをずっと探してて、やっと一枚見つけた、今回のレコード屋巡りの最大の成果。ネットではどこにもないけど、足で探すと意外と見つかるってのが本当にレコード屋巡りの醍醐味。やっぱフィジカルの動きって大事やな。何年か前からライブ観たすぎて、いっその事日本に呼べないかなぁと考えてました。絶対に日本ではウケると思うんやけど、誰か力貸してくれないかなぁ…。
「1999」〜「Purple Rain」〜「Around The World In A Day」の時期のプリンスは、マジ神がかってたなと。当時は、このクオリティで曲を書き続けるプリンスって、当たり前のよーに思ってたけど、彼が亡くなって初めて気づくんス。このロングバージョンを聴くと改めて、彼の天才性が感じられて本当にヤバい。んで、この12inch、ジャケットのアートワークも素晴らしくて。このPOP LIFEって曲は「Life it aint real funky、Unless it’s got that pop」(人生はPOPにならないと、本当に楽しくないでー)と歌うポジティブソングなんやけど、この12inchのジャケットに描かれてるのは、泣いている白髪の老婆。
POPに生きれへんかったと、悔やむ涙なのか。POPに生きた結果の暗示なのか。彼が死んだ今となっては、後者の意味のアートワークやと思うし、この当時POP STARやった彼の葛藤が感じれるけど。どうなんスかね。一枚のアルバムジャケットに込められた、アーティストの意志と遊び。曲を聴き、色々な思いを巡らしながら、酒飲めそ。
■京都街中華飯

レコード屋さんを回りながらも、京都に行ったからには、寄るべき店がありまして。両店とも、超がつくほどの有名店。レコード屋周りの出発点は、新京極の「龍鳳」のからしそば。そして、京都の最後の〆は「マルシン飯店」の天津飯。結果中華to中華。どちらも昔から通ってて、久々の訪問をすることが出来た名店で、やっぱ抜群に美味い。
特に久しぶりに食べた「マルシン飯店」の天津飯は、メトロ帰りの朝方を思い出してエモかったな。ここの店にくる時は、いつもベロベロの腹ペコってよく分からん状態で、いろんな騒動もあったなぁと。今もそうだと思うけど、このお店朝まで(6時?)開いてて、当時の、メトロ帰りの僕たちの定番店。時間的にも、腹の具合的にも、必然的にこの店しかなかったけど、そんなお店の天津飯が、バリ美味いって最高ちゃいます?
今、街中華のブームで、昼は列が並ぶほどの人気らしいけど。街中華って、もっと、日常の中にあって欲しいとゆーか。ここに行くべき理由があるから、美味いとゆーか。個人的な勝手な思いやけど、写真で見たこの料理食べたーいって行くよりも、この時間にこの腹ペコ、もうここしかねーと思った時のほーが、絶対に美味い。店から出てくるもんを、単に食うんじゃなくて、自分のコンディションを、街中華に合わせて行くのが醍醐味やでーと。なんか分からんことゆーてますけど…笑
さてさて。今回はある休日の京都ツアーの模様を、ダラダラと書いて見ました。気になるお店とか、音楽とかを共有できたらエエなと。しかし、色々と楽しい一日やったなぁ。
今回は、このあたりで。
ホイミカレーとアイカナバル / 店主ふぁにあ
〒543-0031 大阪府大阪市天王寺区石ケ辻町3−13
ホイミカレー:毎週火木金12:00-売り切れ次第終了 アイカナバル:月—土18:00-23:00