シロート・クロート・グレーゾーン Vol.33

やっと桜が咲きまして、非常によい季節。待ちに待ったシーズンでございます。長い冬を抜けて、脱アウターのこのタイミングが毎度のことながら素晴らしい!暖かくなってテンションがあがり過ぎて頭がおかしくなる人が出てくるのがわかる気もする。さぁダウンジャケットをクリーニングに出そう!江頭です。

このコラムが公開されている頃には既に次回作の朝ドラ『らんまん』に切り替わっていると思いますが、第107作目にあたる朝ドラ『舞い上がれ!』が無事に3月末日をもって最終回を迎えました。原稿の締め切りの関係上、実際の最終回は鑑賞しておりませんが、前作『ちむどんどん』の謎設定や謎展開を考えると今作は安全な良作だったのではないかと思います。個人的な意見ですけど。東大阪を舞台に、近鉄バッファローズファンのオヤジのお好み焼き屋とか花園近辺にある設定なのであろうラグビーファンのママが切り盛りする喫茶店など、大阪NHK制作のわかりやすい丁寧なベタ具合に朝8時からの15分間に安心感を与えていただいておりました。

ただ、物語の中盤で宮崎の航空学校時代のフェーズが少しだけ尖っておりまして、吉川晃司が怪演する教官に心を鷲摑みにされたり、主人公が操縦する訓練機の窓外の景色のやや粗めのCGハメ込み合成にドキドキしたりして楽しんでおりました。後に知ることになるのですが、このフェーズは本流とは別の脚本家の担当だったようで、なるほど異質感に納得した次第です。まぁでも先述した『ちむどんどん』のニーニーこと賢秀の頭に巻かれたの謎の青いヘアバンドの異質感に比べると取るに足らない、微小なさざ波みたいな感じです。

朝ドラ見ていない方にはなんの話か訳がわからないと思いますが、異質感ついでに書きますと現在進行形の今シーズンの大河ドラマ『どうする家康』もなかなかクセ作品だと思います。まだ物語は序盤ですが、数々のドラマで表現されてきた戦国モノの王道である信長→秀吉→家康の戦国時代の歴史作品で『コンフィデンスマンJP』などの脚本を手掛けられている古沢良太さんの作品で、毎回大変楽しみに拝見いたしておりましたが、先日放送回の主人公家康の側室との結婚に関する描写が、やや多様性に過ぎていたのではないかと少し疑問に思いました。昨今はこういう時代なんでしょうかね?過ぎたるは及ばざるが如しだと思うのですが。この調子でいきますと、まさか織田信長の小姓などにも触れるのか?戦国時代の“衆道”の説明でもするのかな?ま、今回の信長役は岡田准一ですので事務所的には絶対NGでしょうがね。

さて3月はなかなか沢山のライブをみる機会に恵まれて、ライブ強化月間でした、何点かご紹介を。3月25日には神戸ワールド記念ホールに念願のBjörkを見にいってきました。ちょうど結婚記念と同日だったので、たまにはこういう日があってもよいだろうと、子供達には留守番をお願いしましたが、まぁライブは素晴らしかったのですが、欲を言えばあと2曲ぐらいあればちょうどよかったなと思いましたかね。少し短かったかな?終演後のTwitterなんかを見ていますと皆さん同じような感想でしたね。

Björk / Stonemilker

Björk / lionsong

Björkの衣装がやはりよい感じで、白いふわっとした羽根が先端についている金属ワイヤーが全身から伸びていて(説明むずかしい)、動くたびに金属部分に照明があたり本人の動きに合わせてキラキラとしておりました。こういうのって写真とか映像ではわからなくって実物の動いた感じを見ないとわかりませんよね。ただライブ中にワイヤーと羽根が何回もマイクケーブルに絡まるので、ケーブルをうまく捌きながら歌唱していたのが印象的でした。

翌日の26日は、大阪住之江に新しくできたライブハウスGORILLA HALLで行われた「激闘ラップ甲子園」に参加してきました。もちろん参加といってもラップバトルに参戦したわけではありませんで、仕事の流れで拝見したのですが、さすが、活況の十代のラップバトルシーンでの最前線の人達が参戦しており、なかなか熱いバトルが展開されておりました。オーディエンスも同年代であろう人達で埋まり、随分とフレッシュな感じ。運営的にいろいろな配慮があるのだと思いますが、当日のドリンクカウンターは“ノーアルコール”と張り紙されてビールなどは販売されておりませんでした…。バトルの勝敗や内容はTVコンテンツ化されておりますので割愛しますが、勝敗は悲喜こもごもで、なかなかドラマチックであります。REDWINGイイ感じでした。

YOUNG YUJIRO / Shinogi Part 2 Feat. REDWING

ということで、初めてGORILLA HALLに行ったのですが、なかなかハイスペックなライブハウスでした。大きさもちょうどよい感じで立地的にはSTUDIO PARTITAなどもある住之江区エリアで住之江競艇場のちょうど真横にあります。なんか噂では聞いていましたが、かつて港区にあった天保山BAYSIDE Jennyを参考に?モデルに?されているとかで、確かに2階席の感じなんかがそのような雰囲気がありました。ただベイサイドには程遠いですね(良い意味で)。なんせ綺麗ですし、ステージも音響もハイスペックですし、楽屋まわりや搬入口もイイ感じでお客さんの導線もバックヤードもイイ感じ。すごく使いやすそうな会場です。ちなみに天保山のベイサイドはもっと汚くて暗くてイベンターさんも使いにくい超バッドなライブハウスです。働いていたのでわかりますが、ベイサイドにはなれませんね。なんせ極悪ですから。フロアーにガソリン撒いて火が放たれて天井まで火柱がたったり、フロアーにスケートランプが設置されてハチャメチャになっていたり、ビールの売り上げを伸ばすために夏場にクーラー切ったり、会場から大阪港駅までの道のりに折り込みのフライヤーが散乱して問題になったり、オールナイトイベント時には近所にあったファミリーマートの万引きの被害がとんでもない事になっていたり。2階からダイブする奴がいたり…超バッド。

今月も読んでいただきありがとうございました。

江頭 善史