第65回 ポスト資本主義の欲望 マーク・フィッシャー(著)大橋完太郎(著)

ポスト資本主義の欲望
マーク・フィッシャー(著)大橋完太郎(著)

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加速主義とか苦手なんですが、ユー・チューブで、DJ/作曲家のMars89さんが「戦う方法を模索するために加速主義、マーク・フィッシャーの本を読んでいる」と語っていたので、僕もやっぱりもう一回ちゃんと読まないと行けないなと、加速主義のニック・ランドやマーク・フィッシャーの本を読み直しています。

でも、正直辛い、こいつら間違っているやろと思ってしまうからです。基本この人たちって、マルクス主義者でアンチ資本主義なわけです。

マルクスは、資本主義の発展により矛盾が増大すると、社会革命(社会主義革命、共産主義革命)が発生し、プロレタリア独裁の段階を経由して、市場・貨幣・賃金労働などが廃絶された新しい無階級社会である共産主義社会が生まれ、階級抑圧の機構としての国家・軍隊・戦争なども消滅するとした。

今、うちらどこにいるかというと、プロレタリア独裁の段階です。

もうちょっと頑張れば、市場・貨幣・賃金労働などが廃絶された新しい無階級社会が登場しそうです。

プロレタリア独裁(中国)からはそういうの見えてないですけど、暗号通貨などで、そういうのが見えてきてます。中国は暗号通貨を禁止にしました。IMF(既得権益者、資本家ってことですかね)は「金融政策の枠組みを強化することにより、通貨主権と安定性を守り、暗号資産に公式通貨や法定通貨の地位を与えないこと」を要請しました。

すごいな。

日本はどうするかって、まずIMFが言うようにちゃんと金融政策をやって、みんなの給料を二倍にして、失われた30年を取り戻すべきです。

て、思っているので、あんまり加速主義とかマーク・フィッシャーとか賛同出来ないというか、その前段階だろと思ってしまうわけです。

欧米は金融政策ちゃんとやって、10年間で給料2倍になった人もいるけど、そうならなかった人たちもたくさんいるわけです。その人たちをどう助けるかを考えているのが、加速主義とかマーク・フィッシャーなわけです。

日本もすごいんですけどね。30年間もデフレが続いて、ここまで失速しない国も珍しい。欧米の経済学者たちもちょっとビビり始めています。商社なんて、前近代的なものだろと誰もが思ってた時に、バフェットは日本の商社の株、お得じゃないと買ったりしてるわけです。

イーロン・マスクの工場の話とかきいてても、それって日本の工場が普通にやっていることじゃないってよく思います。

テスラが勝つか、トヨタが勝つか、面白いから、一応両方の株を持ってます。テスラの株はロケットが大爆発するたびにドーンって下がって笑いますけど。

どんな世の中になるのか、全く分からないですが、でもすごい世の中が待ってそうで面白いです。

マルクスがいうように、市場・貨幣はなくならないと思いますが、賃金労働などが廃絶された新しい無階級社会は生まれるでしょう。貨幣は暗号通貨として残っていくんでしょう。

マルクスは暗号通貨みたいなのが出来るなんて予想もしなかった。自殺したマーク・フィッシャーも暗号通貨の技術がイーサリアムまで発展して、ここまで使えるようになるとは思いもしなかった。あと1、2年生きていたら、将来に希望を持てたと思うんだけど、どうだろう。

暗号通貨の技術を作ったのがサトシ・ナカモトという日本人名なのが、面白い。社会を変えたいと思ったプログラマー(一人なのか、グループなのか分からないですが、サトシ・ナカモトの技術を発展させてイーサリアムを作ったのが、基本的にはヴィタリック・ブテリン一人なので一人なのでしょう。何人かで作っていたら、もう誰がやったか情報は漏れてきていると思うので、ここまで誰が作ったのか分からないということは一人でやったのでしょう)が作った名前なんですけど、ジーザス・クライストのような名前がアキラみたいな日本名って、名誉なことですよ。80年代のサイバー・パンクたちは電源が切れたブラウン菅のようなチバ(千葉県)の空の下で暗躍することを夢見ていたのです。

残念なのはその社会の変化を僕は見れないってことです。ちょうどギリギリの所で死ぬんでしょうね。車が自動運転になって、ドローンがずうっと空を飛んでいて、国から毎月10万円くらいもらって、誰もが好きなように生きている時代。もちろん格差はありますよ。何十億稼いでいる奴らが1%で、毎月10万で好きなように生活している人が99%との世界、そんな社会がバランスよく維持できるのか、分からない、でも暗号通貨によって、誰も不正は出来ない世の中になっている。全ての人間がお金の流れを管理出来てる。全ての人間じゃないか、AIが管理してくれてる。そういう世界まであと少しです。死んでいく人間がいうのもどうかと思いますが、僕はべつにいいんじゃない、楽しければと思ってます。楽しいことを見つけられない人はベッドから起きられなくなるんでしょうね。でもその割合は今も未来も変わらないと思います。

マーク・フィッシャーとニック・ランドの本は全部読んだんですけど、マーク・フィッシャーの5日間に渡る最終講義を本にした『マーク・フィッシャー最終講義 ポスト資本主義の欲望』が面白かったです。ちゃんとこういう人たちの授業を僕は受けていたらよかったんですかね。でも本読んでたら、この人らの授業を受けなくってもいいんじゃないと思ってしまいました。