第73回 土偶を読むを読む 望月昭秀(編集・著) 小久保拓也(著) 山田康弘(著) 他

第73回 土偶を読むを読む 望月昭秀(編集・著)     小久保拓也(著) 山田康弘(著) 他
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すいません、今月も音楽と関係ないものです。

土偶が好きです。土偶のガチャガチャも全部持っています。

土偶漫画『古代戦士ハニワット』も大好きです。

この漫画では土偶みたいな生物が、地球の怒りみたいな象徴として描かれている。なんで怒っているのかはよく分からないのですが。で日本の巫女とか神社は古来から、そういうものを鎮める、戦うために存在していたと。で埴輪を操ったり、埴輪と合体したりして土偶みたいなものと戦うのです。

作者が小学生の頃から書いていた漫画なので、荒唐無稽なのだが、面白いです。

土偶とか埴輪という古代のフィギュアはとっても神秘的なのです。

巫女も神秘的ですよね。御神楽とかやっぱ日本の芸能の始まりと思うので、土偶も音楽と関係ないとは言えないのです。『古代戦士ハニワット』では巫女がシャン、シャン、シャンと御神楽をして、ハニワットになった埴輪にパワーを与えて、土偶の怪物に勝つためのエネルギーを与えるのです。御神楽って、このためにあったのかと思わず叫んでしまうのですが、そんなことない。

こういう漫画は好きなんですけど、何年か前に「土偶を読む」という本が大ベストセラーになりました。土偶というのは縄文人が食べていた食物を擬似化したものだ、これは世紀の大発見だと、人類学者が妄想したものなんですけど、僕はそれを立ち読みして、そうかっと思ったのですが、養老孟司さんが推薦文を書いたりして、あれよあれよと大ヒットして、サントリー学芸賞を取って、最後はみうらじゅん賞まで取ったりして、小学生用の図鑑まで出たりしたのです。

みうらじゅんさんが賞を与えたのは、真面目にとったらあかんやろ、この本は学術書じゃなくって、自分と同じような妄想やでということで、映えあるみうらじゅん賞を与えたのかなと。

それでこういう間違った土偶解釈に土偶研究家たちが、ちょっと待ったと書いた本が『土偶を読むを読む』なのです。

『土偶を読む』を書いた人類学者の人は、なんで分かれへんねんという不満の元に書いたのですが、そりゃ、分からへんもあるやろと僕は思うのですが、というか、だんだんと何が分かって、何が分からないのか、解明されてきているのに、それを一束飛びに、お前らなんでこれが分からへんのかというのは気が狂った人としか思えない。

もちろん、『土偶を読む』を書いた人類学者の人も、土偶研究科の第一人者の元に、「僕土偶の意味分かったんですよ」って、言いにいって、「毎年、一人くらいそうやって、言いに来られる方がいるんですよ」って言われています。

そういうもんやと思うんですけどね。

大丈夫か、この人類学者。でもサントリー賞を取ったりするわけです。大丈夫か、サントリー賞。

僕も50年前、60年前とかの洋楽の歌詞とかの解説をしています。書かれた方がどんどん亡くなっていって、本当はどういうことを言いたかったかのかということがもう解明されないことも多くなってきています。

作者が封印しておきたいということや、作者が意見を変えることもあります。ニール・ヤングに「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」という名曲があるんですが、何のことを歌っているのか全く分からないのです。欧米の方もまったく分からないみたいで、リンダ・ロンシュタットとエミルー・ハリスがニールに電話したら「分からない」と、ニールもなんであんな歌詞が浮かんだのか、分からないということなのでしょう。

でも、近年出された自伝では環境問題を追求した歌だと告白しております。

で、これらの事実を解読して僕はやっとこの曲の意味が分かったのです。この頃のニールは歌を映画みたいにしようと思っていて、その内の一曲かなと推測しております。

で、この曲はSFみたい歌なんです。1番、2番、3番とあるんですが、一番は中世の夢を見た話なんです。騎士が女王がどうとか言って、農民が収穫祭を祝って、1970年に、母なる自然が逃げていく。名フレーズですよね。

2番は焼け落ちた地下室で、ニールがボーとしてると、バンドが演奏しているのが聞こえた、そんなことないから、僕はとんでいるのかなと思った。ここも名フレーズですよね。で友達が言ったことを嘘だと思いたいと歌うわけです。ここを僕はずうっと、バンド仲間の友達が死んだと思ってたんです。だからバンドの演奏が聴こえたのはおかしいなと。

で、不思議なところは3番でUFOが飛んでくるわけです。なんでと、リンダ・ロンシュタットとエミルー・ハリスも電話するわと、僕もずうっと電話したかったですよ。

で、気づいたんです。2番の焼け落ちた地下室は核爆弾で、焼け落ちたんだと、友達が何を言ったかというと、核戦争があったんだと、それを信じたくないとニールは言っているのです。で一番は予言なんですね。1970年に地球は終わるよっていう。

そして、3番は終わっていく地球に円盤が現れて、何人かの子供たちを連れていく、新しい種はそこで育つだろうと

SFやったんかいと60歳間際に解明出来ました。

でも、本当かどうか分かんないんですよ。100%そうだと僕は思いますが。本人はそうだと書いてないので。世の中そんなものです。

土偶の秘密が分かったって、そんなに声高々に言うもんじゃないと思うのです。