第75回 Love and Let Die: Bond, the Beatles and the British Psyche John Higgs(著)
- 2024.03.10
- 未分類
久しぶりに音楽関係の本を紹介させてください。
ジェームス・ボンドこと007とビートルズの類似点を語った本です。
ほとんど70年近い歴史を持ち、共通点がなさそうな両者を、比較検討しながら、なるほどと楽しく読めます。
ビートルズが愛で、007が死とリンクしているという説明だけで、おもしろそうでしょう。
そして、この本が何をいいたいかというと、大英帝国というのは何かということです。
この本を読みながら、僕の子供の頃観た、『海底軍艦』『妖星ゴラス』などの日本映画の背景には、大東亜共栄圏の夢破れた大人たちが、映画の中だけでも、日本が中心となって世界を救うという夢を見ていたなということを思いだすのです。
スパイものだと『陸軍中野学校シリーズ』です。今だと『VIVANT』ですね。『VIVANT』観て日本もだいぶ変わったなと感じました。
『陸軍中野学校シリーズ』の背景には、“もしお前のやっていることに自信がなくなったら、政府、国が間違っていると思え、お前は世界のために戦っている”というのが大きなテーマでした。『VIVANT』は日本のためにならないからと悪い奴を殺します。日本のためになるから悪い奴もいかしますと。完全にネトウヨのようになってしまっています。
世の中変わっていきます。
僕ももう60年も生きて、色んなことを見てきました。前半の30年がインフレで、後半の30年がデフレです。教科書でデフレはみんなの給料下げていくとってもヤバい状況となろったんですけど、日本の政治家なんもやらなかったですね。亡くなった安倍さんだけが、脱デフレには金融緩和が効くと理解していた数少ない政治家でした。
簡単なことだと思うのですけどね。インフレというのはお金の価値が下がって、物の値段が上がること。デフレというのはお金の価値が上がって、物の値段が下がること。お金の価値がなぜ上がるかというと、お金の量が少なくなって、貴重になるからです。だからそこから脱却するためにはお金の量を増やせばいいだけ。そうするとお金の価値が下がって、物の値段があがる。先進国でなぜデフレ傾向になるかというと、すぐに物が供給されるからです。マスクがないって、いっても半年後には元の状態に戻せるくらいの生産と流通をすぐに確保出来るわけです。
お金の量が少ないというだけで、30年間も若者は苦しんでいたというのは悲しいことだなと思います。
そんな若者の代弁となっているのが、『VIVANT』とか『進撃の巨人』なんでしょうね。
今の若者は希死念慮を感じる人が4割もいるそうです。僕の子供の頃は4割りの若者が寝る時に、このまま起きれなかったら嫌だなと思っていたと思います。
007とビートルズで、今までの世の中とはこうだったのだと書かれた本ですが、これからの007とビートルズがどう変わっていくのかまでは書かれていないので、これからの世の中がどうなるのかまで書かれていません。
次のジェームス・ボンドは黒人の女性になるそうですけど、当たるんですかね。それよりも007を作ったイアン・フレミングの権利が2035年になくなって、誰もが好きに007を使えるようになるそうです。そちらの方が僕は気になります。そうならないようにディズニーとかが権利をとるんでしょうね。それとももう007はいらんわということになっているのでしょうか?それって、大英帝国の終わりでもあるのかなと思うのです。その頃には国がどうとかもうみんな言わない時代になっているような気がします。まずロシアが崩壊して、その次には中国共産党が倒れて、みんな一つて言い出しているような気がします。