VOICE OF EDITOR #10

フジロックと経済

激忙時が過ぎ、ひと段落。以前から気になっていた蛇口裏やお風呂の浴槽下の汚れを大掃除したり、トイレの便器にこびり付いた尿石を取り除いた。

便利な世の中で、尿石は尿に含まれるカルシウムやマグネシウムが化学変化を起こし結晶になったものらしく、除去には酸性のトイレ洗剤が有効とのことだとスマホで知った。いや、忘れていたといったほうが正しいかもしれない。今回購入した「サンポール」というトイレ洗浄剤の名前はその緑の容器のイメージとともに頭の中に残っていてこのサイトを見る前にぼんやりと購入を決めていたからだ。しかし、具体的な除去方法はスマホで見つけてサイトに示されていた「トイレットペーパーを貼り付けた対象部に洗剤を染み込ませ30分待ちブラシで磨く」を実践した。見事に成功しスッキリした。後はキッチンのガスコンロ上にある換気扇とフローリング床の掃除が残っているが、梅雨になる前にやってしまおうと思う。

 1959年に発売を開始したサンポールは今でもトイレ洗浄剤の中でもトップ10に入るセールスを記録している。しかしサイトでは購入層は50〜60歳代が多くこのままではシェアが下がる一方だという。対策として30歳代へのアピールが必要だと考えていて、アイデアを募っている。

 先日購入したサンポールは500ml、800ml、1000ml、3ℓ、5ℓのラインナップから800mlのものだった。しかし選んだのではなくお店にはその容量のものしかなかったので仕方なく購入したのだ。500mlのものがあればそうしていただろう。もう少し小さい300mlのものがあれば迷わず選んだはずだ。多くの頻度で行わない尿石除去には大容量のものは不要だし、収容場所に困るからだ。

自分なりに30歳代に向けてどのようなマーケティングをすればいいかを考えてみた。300mlの容量のものを新たにラインナップし、価格は500mlとは変わらないほど安く設定する。アピールしている尿石、黄ばみ、除菌の使用目的をもっと強調し、30歳代の購入者の体験を募りSNSで拡散させる。絞り込んだ目的意識を刺激し購入モチベーションを上げる。300mlの容器はグリーンイメージを残し便器の裏まで洗剤をかけることができる「スミズミノズル」を少し強調したフォルムで、使用後トイレに置いてあっても違和感のない可愛い形に変えてみてはどうだろう。

 はて、、、?これはフジロックと同じ状況ではないのかという声がふと頭をよぎった。こんなのと考える時間があるんだったらフジロックのことをもっと考えようよと心の中の天使が囁いた。

そこで、頭を捻ってみた。

こんなアイデアはどうだろう?

「私をフジロックに連れてって!キャンペーン」

「すべての道はフジロックに通じる」

その昔、フジロックが行われている苗場の冬はスキーリゾートの聖地として有名だったことは周知のことだ。1980年にリリースされたユーミンの10枚目のオリジナルアルバム「SURF & SNOW」のタイトルを付けた苗場スキー場でのユーミンのライブは1981年から現在まで続いている。収録曲「恋人はサンタクロース」は今でも12月の定番曲だ。

そんな苗場にもう一度フォーカスを当てることはできないかというのがこのキャンペーンの主旨である。苗場へのキイ・ステーション、越後湯沢駅周辺の穴場スポットをピックアップしてみた。

  1. 滝沢公園「不動滝」恋人が結ばれるという言い伝えがあります。恋人と二人でフジロックに来る方はまずこの滝を訪れてみてはいかがだろう。

https://www.e-yuzawa.gr.jp/sys/sightseeing_p/%E6%BB%9D%E6%B2%A2%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%80%8C%E4%B8%8D%E5%8B%95%E6%BB%9D%E3%80%8D/

  • 毛渡沢橋梁(けどさわきょうりょう) 秘境駅「土樽(つちたる)駅」の近くにあるレトロな鉄道橋です。撮り鉄の方は毎年ここへ来てから苗場へどうぞ!

https://www.e-yuzawa.gr.jp/sys/sightseeing_p/kedosawa_bridge/

  • ぽんしゅ館 新潟全酒蔵の代表銘柄を気軽に試飲できる人気スポットです。ご存知の方は多いとはず。インバウンドの方たちにとっては日本酒をトライする絶好の機会ですね。1杯ワンコインで飲めるのは嬉しい。
  • 福島県の会津若松と新潟県の小出を結ぶのがJR只見線です。

新幹線でのフジロックまでの景色に飽きた方は会津若松まで足を伸ばし、只見線で絶景を眺めながら小出までの時間を過ごすのはいかがだろう。小出から越後湯沢はJR上越線で繋がっています。

  • 「瑞祥庵」の仁王像 土樽エリアにある曹洞宗のお寺。石川雲蝶の入魂作である二体の仁王像が桜門にあります。

https://niigata-kankou.or.jp/spot/10059

 このような穴場スポットがまだまだある「私をフジロックに連れてって!」企画や「JR只見線で行くフジロック」企画はフジロックまでの交通費の価値を考え直す絶好の機会だ。このような穴場スポットを巡ることで交通費にそれ以上の価値を持たすことができる。そう、フジロックは目的地の「ひとつ」にするのだ。

また円安効果も重なり、海外からのお客さんも呼びやすくなるのではないだろうか。

 円安といえば、いまだに出口を見つけることができない最悪の経済政策「アベノミクス」は為替相場を円安に誘導することで輸出企業の貿易黒字を増大させ、一部企業には経営史上最高益をもたらした。だが、このままでは小中学校の給食に牛肉が出せなくなるということに始まり、武器や戦闘機を輸入する際の円安差損が大きくなり防衛費の予算をかなりの勢いで押し上げている。私たちの日常に話を移すと、海外からアーティストを招聘することは正しく輸入業であり、円安は私たちの首を真綿で締めつけている。すでにチケット代に転嫁され、皆さんの懐事情に直結している。

 そろそろ円安を終わりにする国内経済力を再生する方向に舵を切らないと、このままでは日本はどんどん貧困国になっていく。そして少子高齢化、円安はフジロックをどのように変えるのか、またフジロックをどのように変えていかなければならないのか。私たちはこの状況を日常レベルの問題として捉えなければならない。そう、厳しい岐路に立たされているのだ。

ではでは〜