VOICE OF EDITOR Vol.15
- 2025.02.07
- OSAKA
マクナマラの誤謬2025
前回、岡林信康とはっぴいえんどによる全日本フォークジャンボリーのライブのことを書いた。そんな気分の自分に偶然の出会いがあった。友人のイベントを手伝っていた時にその当時中津川であったフォークジャンボリーに立ち会っておられたN氏がそのイベントに来られていたのだ。その時はあまり話ができなかったけど、もう一度お会いして当時大阪の太融寺兎我野町にあったというURCや音楽舎の話を詳しくお訊きしたいと思う。
その日から数日後の1月20日、ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ合衆国大統領として再就任した。「MAGA」をスローガンに分かり易い英語で「アメリカン・ドリーム」を語るスタイルは単純で多くの人を吸い上げるパワーは絶大だ。彼の明瞭な経済政策は人の心を揺さぶるに十分だが、はて、まだまだ不確実で未知数な未来が待ち受けている。パンデミック期間もあり幸運に見放された感のある前大統領、ジョー・バイデン氏の在任中は物価が高騰し中間層の生活を圧迫していたこともあり、トランプ氏への期待感が大きいのだろう。その構図、あの兵庫県知事が再任したことと似ているのではないだろうか。
「映像の世紀バタフライエフェクト ベトナム戦争 マクナマラの誤謬(ごびゅう)」を見た。「数字ばかりにこだわり物事の全体像を見失うことを「マクナマラの誤謬」というらしい。1961年1月21日から1968年2月29日までケネディ〜ジョンソン政権時代の国防長官として執務したロバート・マクナマラがベトナム人の愛国心を見誤り数字的な成果を追求した結果、ベトナム戦争を泥沼化し結果として300万人もの死者を出したという悲劇を繰り返さないための教訓としての言葉だ。彼の名前は新聞で「北爆」という文字と同列で見た覚えがある。日本へのB29による無差別攻撃も彼が考えた作戦だったようだ。ベトナムでの北爆では沖縄の嘉手納基地から飛び立つB52に置き換わった。ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナもあのベトナム戦争のように泥沼化している。プーチン氏やネタニアフ氏には物事の全体像が見えていないように思えてならない。
戦争を終わらせる」と選挙前に公然とぶち上げていたトランプ氏がアメリカ合衆国の大統領としてこれらの戦争の出口をどのようにセッティングしようとしているのかはまだ見えて来ない。と思っていたらトランプ氏の公式会見の場で「ガザ所有」発言が飛び出した。奇策といえば奇策だが、、、。確かに2000年に及ぶイスラエルとパレスチナの問題を解決するには画期的な変革は必要だろう。しかし、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が交差する土地を国境という線や政治的な所有で解決することは決してできない。それぞれの神をそれぞれがエルサレムを中心に敬い合いユナイトすることはできないものかと思うが、我々がホモ・サピエンスである以上、次の段階に進歩しないうちは無理なのかもしれない。
イスラエとパレスチナの歴史を簡単に知りたい方は下記を読んでみてください。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji97/
2025年が不動産志向の「マクナマラの誤謬」で終わらないよう祈るしかない。