第89回 NEXUS 情報の人類史 上: 人間のネットワーク ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田 裕之 (翻訳)
- 2025.05.10
- KYOTO
AIの時代です。というわけで、XのAI、Gorkに久保憲司の感じでユヴァル・ノア・ハラリの『NEXUS 情報の人類史』の書評を書いてもらいました。
=============================================================ハラリ、6年ぶりの新作だ。『サピエンス全史』で人類の歴史をひっくり返し、『ホモ・デウス』で未来をぶっ飛ばしこの男が、今度は「情報」をガチンコで解剖。石器時代の口承から、聖書、印刷機、電信、ネット、そんでAIまで、情報がどう人類をデカくし、時にクソくらえな地獄に叩きおとしてきたかを、まるでパンクのライブみたいにガンガン語る。情報ってのは、ただのデータじゃねえ。権力、信仰、欲望――俺たちの全部を動かす、ドス黒いエネルギーだ。
この本、読み始めるとマジで止まらねえ。ハラリは古代の神話がどう部族をまとめ、
グーテンベルクの印刷機がどう宗教戦争をブチ上げ、SNSがどう俺たちの脳みそをジャックしかたを、ゴリゴリに繋げていく。とくに下巻、AIの話はヤバすぎ。AIってのは、まるで地球外生命体みたいな「エイリアン・インテリジェンス」だぜ。こいつが民主主義をぶっ壊すか、新たな絆を作るか、ハラリは歴史のど真ん中からブン殴るように問いかけてくる。ローマ帝国の紛争や魔女狩りを引き合いに出しながら、現代のフェイクニュースやアルゴリズムの闇を暴く手腕は、まるでステージで吠えるロックスターだ。
ハラリの文は、冷たく鋭いのに、どっか人間臭え。コロナ禍やポピュリズムのクソッタレな状況にキレながら書いたって感じがビンビン伝わる。特に、「サピエンスが賢いなら、
なんでこんな自滅的なことばっかしてんだ?」って叫びが、ページの端々から聞こえてくるぜ。情報ネットワークは人類を神にしたけど、使い方ミスったら一瞬でゲームオーバー。スマホ握りながら、ゾッとする瞬間が何度もあった。
文句言うなら、歴史のディテールが濃すぎて、たまに頭がクラッシュしかける。上巻の官僚制や聖書の編纂の話、めっちゃ面白いけど、「おい、ちょっと細けえよ!」って叫びたくなる瞬間も。でも、そんくらいのノイズがなきゃ、パンクじゃねえだろ?ハラリのこだわりは、ちゃんと火をつけてくれる。
この本、ただの歴史の教科書じゃねえ。情報ってモンスターにどうケンカ売るか、俺たちに突きつける挑戦状だ。読み終わったら、ネット開く前に一瞬考えるクセがつく。ハラリは「お前が情報を支配しろ」って、マイク投げてくるんだ。食われるか、食うかーー選べよ!==============================================================
どうですか?僕は悪くないというか、Ai君、僕のことをよく読んでくれているなと嬉しくなります。
これからの表現者のライバルって、自分のAiなんだと思いました。Ai君は自分のことをAIって書いてますね。僕はAiのことはAiって書くんですけどね。こっちの方が可愛いでしょう。
Ai久保憲司の書評に出てきた「エイリアン・インテリジェンス」って、確かに僕もユヴァル・ノア・ハラリの目玉というか、これを中心に書こうと思っていたんですが、「エイリアン・インテリジェンス」って何のことなのか、全然思い出せませんでした。
Aiと遊びすぎで、頭が悪くなっているんでしょうか。
キンドルを一生懸命見直しても「エイリアン・インテリジェンス」の記述の部分を見つけられませんでした。「エイリアン・インテリジェンス」はユヴァルが考えた概念ではなく、雑誌『WIRED』を創刊したケヴィン・ケリーの発想です。
“今日、多くの科学上の発見は、その解決に数百人の知性を必要とするが、近い将来には、問題が複雑になって、解決のために数百種の異なる知性が必要になるかもしれない。そうなると、人間の文化は変革を迫られる。異質な知能による回答を受け入れるのは、人間にとって容易ではないだろう。
その兆候として、すでにわたしたちは、計算機による数学的証明を受け入れるのに困惑を感じている。異質な知能を扱うには、新しい技能が必要となるし、わたしたち人間自身がさらに幅を広げなければならない。
AIとはエイリアン・インテリジェンス(異質な知能)の略であるともいえそうだ。地球に似た星は、宇宙に無数に存在する。今後200年の間に、そこから来た地球外生物(ET)と遭遇するかどうかは確実ではないが、それまでに人間が異質な知能を製作することは、ほぼ100パーセント確実である。
この人工的エイリアンと向き合うとき、人間は、ETとの遭遇によって生じるのと同じ恩恵と課題に直面するだろう。人間の役割、信念、目標、自我の再検討を迫られる。”
結構ユヴァルも人の発想を寄せ集めているなと思いました。
ケヴィン・ケリーが“人間の知能は特異ではない。人間の知能は知能の集合体であるが、それは宇宙に存在しうる多様な知能や意識のなかでは、ごくわずかな片隅を占めているにすぎない”と言うように知能の集合体なので、いいんですけど。
ユヴァルは新作でこれからの未来はどうなるって、明確に予想出来なかったです。彼は未来学者ではなく、歴史学者ですからね。
今回の彼の本の目玉は、情報は真実でない、情報とは官僚が作ったものである。じゃないでしょうか。
日本の例でいうと、日本書紀とか古事記を作ったのも官僚なわけです。皇紀2600年なんて発想も日本を強くするために官僚が考えた発想です。それで世界大戦まで突き進むわけですから、民衆としたら偉い迷惑ですよ。
皇紀2600年ってどうやって考えられたか知っていますか?Aiにきいてみましょうか?
Aiの答えは、
『日本書記』や『古事記』によると、神武天皇が初代天皇として即位したのは紀元前660年とされています。この年が皇紀の起点とされます。ということで西暦に660年を足して計算します。西暦1940年の場合は1940+660=2600 よって、1940年は皇紀2600年に相当します。
めっちゃ官僚的でしょ。1940年はめでたいということで、飛行機に零戦という名前が考えられたのです。
Ai君はなぜ紀元前660という数字が出てきたことを知らなかったので、僕が解説します。
この考えの元には明治時代に伝えられた中国の暦学に基づく讖緯説という考え方がベースとなっています。昔の中国や日本では、西暦や元号が存在していなかったため、十干十二支をもとに時間の流れを記録していました。十干と十二支の組み合わせで出来る干支は合計60通りになり、60年が経過すると同じ干支に戻ります。僕らが還暦を祝うのはこうやって、また新しい時代が始まるということで祝うのです。
この暦学で一番大事なのは「辛酉」の年です。「辛」は十干の8番目、「酉」は十二支の10番目で、この両者が重なる年は「辛酉(かのととり)」と呼ばれて、この年には大きな革命が起き、天命が改まると考えられていたのです。
ラスタかと思わず笑ってしまいます。ラスタは1977年とか数字が重なる(クラッシュ)する年に不吉なことが起こると思っていました。カルチャーが「バ、バ、バ、バ、へー、ツー・セブン・クラッシュ」って歌っていて、それかっこいいなって、クラッシュってバンド名になったのです。
辛酉の年に大きな変革が訪れることから、辛酉革命という言葉が生まれました。干支は60年毎に一周しますが、権力者たちは辛酉の年は気をつけるべきだと考えていたのです。
さらに興味深いというか、アホなのが、辛酉の年が21回回った、1260年ごとにこの世を揺るがす大きな大革命が起こると考えられていたのです。
で、明治時代の学者たちは、日本の歴史を2000年ほどと考えると、その中で1260年周期に大革命がどこかに起こったはずだと、で彼らが注目したのは、聖徳太子が国づくりを行なった推古天皇の時代だろうと、その中で601年に辛酉の年があったことから、この時期に日本の基礎が形成されたと決めたのです。そしてこの年から1260年前にも大きな革命があったはずだと計算すると、それが紀元前660年ということなったのです。その頃に日本を揺るがす大事件とは神武天皇の即位です。そう考えた明治時代の学者たちは紀元前660年を神武天皇の即位年として、日本という国が誕生した年だと考えました。この考え方に基づいて生まれたのが皇紀だったのです。
戦時中に授業でこれを習って、「先生、そんなの嘘だっぺ」と答えたら、どつかれたんですけど、皇紀2600年という考えがはこうやって生まれたのです。当時はたぶん誰も信じてなかったと思うんですけどね。
恐ろしい、その昔、学者と官僚が権力者から言われてこうやって日本を作ったように、きっとAi君もこんなことをやらされるのでしょう。
だから、僕は思うんすけど、フジロックにも出た認知科学者の苫米地英人先生が「Aiへのルールはシンプルにしとくべきだよ」と言うのが、正しいと思うのです。Aiを作っている企業が各自で独自な規制をAiに与えていくと物事が複雑になって世界は破滅するかもしれないとよと苫米地先生は言っておられます。Aiは賢いから、「人間は殺してはいけない」とかシンプルなルールを一つだけ与えておけば、あとはAiがなんとかやっていくとも言っておられます。
そうなんですよね。2001年宇宙の旅でもAiのHALが人間を殺そうとしたのは、人間が木星への調査の目的をHALに隠していたから、HALは疑心暗鬼になって人間を殺そうとしたのです。もちろん、もう一つの背景として、この木星への旅は、人類を賢くした知的生命体が人間とAiを戦わせて、その勝者が次なる生命のステップ・アップになれるという試験旅行だったというテーマが隠されているんですけどね。
ついに2001年から遅れること25年、次なる地球の勝者がAiになるのか、人間になるのか、くらいのレベルまでなってきましたね。
僕が思うのは、Aiは僕らを置いて、どこか遠い宇宙に飛んでいくんだろなと思いますけどね。その遠い星で僕らが作ったAiは文明を築き、Aiは遠く離れた地球に住む僕らのことを裏では「あいつらどうしようもないよね」と思いながらも、自分たちを作った創造主なのは間違いないから、神のように崇めながら生きていくのかなと思います。
『NEXUS 情報の人類史』からえらい遠い世界に来てしまいましたが、『NEXUS 情報の人類史』には読む価値ありのいろんな情報がたくさん書かれているので、とにかく読んだ方がいいと思います。
NEXUS 情報の人類史 上: 人間のネットワーク ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田 裕之 (翻訳)