第44回 How Music Works David Byrne(著)

How Music Works David Byrne(著)
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デヴィッド・バーンの大ヒットしたブロードウェイ・ショーを、スパイク・リーが収めた『アメリカン・ユートピア』が感動したと大好評です。

デヴィッド・バーンって、人を感動させるためにやってるんじゃなく、いつも壮大な実験をしているのですから、面白い反応だなと思います。

どういうショーかといいますと、本人がこう説明しております。

「ステージ上から一番大切なもの以外すべてを排除したら?何が残る?残るのは、我々と皆さんだけ。それがこのショーです」「僕ら人間は未完成」「僕らは何者か」「肉体を超えた人間性を作り上げるのは他者とのつながり」

そうなんです、このショーはデヴィッド・バーンの本『ハウ・ミュージック・ワークス(音楽の仕組みとか、音楽ははどのように機能するって訳したらいいですかね)』の続きなんです。

この本残念ながら翻訳されてないんですが、全てのミュージシャンに読んで欲しい音楽についての本の中なんです。

この本の内容についてはTEDトークで講演されていますので、それをYOUTUBUで見れば『アメリカン・ユートピア』の背景、デヴィッド・バーンが何を考えているかよく分かると思います。

僕が簡単に書いておきますと、音楽というのは会場によって変わるということです。もうちょっと書きますと、会場によって、受けるというか、よく聴こえる音楽があるということを研究した本なのです。さずが『モア・ソングス・アバウト・ビルディングス・アンド・フード』というタイトルのレコードを出す人です。

こちらトーキング・ヘッズのセカンドで名盤です。このアルバム・タイトルはバーンが考えたのではなく、XTCのアンディ・パートレッジが考えたのですが、78年くらいから“音楽って会場によって、作られていくよね”なんて話を二人でしていたのかなと思うとドキドキしてしまいます。

もう少しこの話を詳しく書きますと、スタジアム・ロックという音楽がなぜあんな音楽になっていくかというと(一番分かりやすい例がEDMです。大きなドラム・ビートとブレイク、仰々しいメロディ、クラブ・ミュージックだったハウスとかテクノがフェスのような場所でやるようになって、そこで受けるためにEDMと呼ばれる音楽に変わったのです。スタジアム・ロックとEDMの構造って一緒です)、大きな会場だとああいう音楽を作らないと受けない(良く聴こえない)からだと書かれているのです。

要するにCBGB(パンクが生まれたライブ・ハウス)のような小さな会場で、スタジアム・ロックの音楽をやっても全然良く聴こえない。でもパンクをやると良く聴こえる、それはなぜかということを解説しているわけです。

ここまで書くと『アメリカン・ユートピア』の裏テーマが分かりますね。

この本の続き、じゃ演奏者と観客というのは音楽にとってどういう存在なのかということを解明しようとしてるのです。

不思議な人です。こういうことをずっと考えている、いや観察してる人なんだと思うのです。

この本には“どうやってシーンを作るか”なてサブジェクトもあって笑ってしまいます。後は“素人”“音楽と財政”など